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地域活性化?「ご当地ナンバー」で車庫飛ばし必至

 
所謂「ご当地ナンバー」導入第二弾として、10地域が決定した由。
 
時事通信8212:15配信記事↓
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「平泉」など10地域導入=ご当地ナンバー第2弾-国交省
 国土交通省は2日、地域が希望する名称を自動車のナンバープレートに表示できる「ご当地ナンバー」を「平泉」(岩手県)や「世田谷」(東京都)など10地域で導入すると発表した。来年度中にナンバープレートの交付を始める。
 今回は11地域が応募したが、「飛鳥」(奈良県)は橿原市など対象4市町村の登録自動車台数が導入基準の10万台を下回ったため見送った。対象地域を拡大し登録台数を増やして、10月末までに再度要望すれば国交省は検討するという。(以下略)
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そして今回の導入決定地域ナンバーと対象市区町村は下記の通り。
 
「平泉」岩手県一関市、奥州市、胆沢郡金ヶ崎町、西磐井郡平泉町
「郡山」福島県郡山市
「川口」:埼玉県川口市
「越谷」:埼玉県越谷市
「杉並」:杉並区
「世田谷」:世田谷区
「春日井」:愛知県春日井市
奄美:鹿児島県奄美市、大島郡大和村・宇検村・瀬戸内町・龍郷町喜界町徳之島町・天城町・伊仙町・和泊町・知名町・与論町
 
本来は登録自動車数の増加に伴う行政の効率化を図るために、地域ナンバーを増やしていった筈である。ところが現在では、自動車のナンバープレートの地域名称を増やすことが、「地域の活性化や観光振興につながる」期待されているらしい。
 
その理屈はよく判らないが、私には「川口」ナンバーとか「世田谷」ナンバーとかで「地域の活性化」や「観光振興」が進むとはとても思えないのだが。
 
上記ナンバーの内、「盛岡」「前橋」は県庁所在地でもあり、今迄なかったのが不思議なくらいである。また奄美島嶼内で完結しており、観光地風情のあるナンバーなので頷ける。しかし他はどうもピンとこないものばかりである。
 
「平泉」世界遺産ブームに便乗している観があるが、この地域にはもっと有名な小沢一郎というのがあるから(モロに選挙区)「小沢」ナンバーでOKじゃないの?
 
「郡山」は少なくとも観光には繋がりそうにない。「川口」、「越谷」も同様で、特に「川口」西川口西川口流なんていう連想が生じるのは必至。だいたい埼玉に7つも地域ナンバープレートがあるのが不思議である。東京に次いで人口の多い神奈川県が4つだというのに。
 
「杉並」「世田谷」は完全に住民のためのナンバーらしい。杉並区民は余程、「練馬」ナンバーが嫌いなのだろう。また世田谷ナンバーは手前らがハイソだと誇示したいからだろう。しかし首都圏以外では「杉並」「世田谷」・・・はぁ?といった感じである。
 
どうせならJR中央線つながりで杉並区、中野区、新宿区は「新宿」ナンバー、そして東急線小田急線つながりで世田谷区、目黒区、渋谷区は「渋谷」ナンバーにすればよかったのに。
 
最後の「春日井」、これはどう考えてもメジャーな地名ではない。甘納豆くらいしか連想しないし。しかしこの地域の愛知県人にすれば、「尾張小牧」ナンバー、通称「おこま」より遥かにマシ・・・といったところなのだろう。「豊田」「岡崎」「一宮」が出来るまで、愛知県のナンバープレート・ヒエラルキーはこうなっていた。
「名古屋」 > 「豊橋」 > 「三河」 > 「尾張小牧
 
ハッキリ言ってこんなの他県人にはどうでもいい話だが、トヨタのお膝元でクルマを崇め奉る愛知県人にとっては相当重要な問題らしい。
 
そういえば15年ほど前、名古屋支店に赴任していた頃、名古屋市内で珍しく「春日部」ナンバーの車が走っていたのを目撃した。横にいた取引先の部長氏(名古屋市民)が何を勘違いしたか、「ほぅー、「春日井」ナンバーが出来たのか」と驚いていたのを思い出してしまった。以前からある「春日部」も、首都圏以外では認知度ゼロである。
 
そして、ただでさえ“カッコいい”ナンバーを求めて「車庫飛ばし」が横行しているのに、「ご当地ナンバー」がそれに拍車をかけるのではないか・・・という気がしてならない。特に「盛岡」「前橋」は地域外の住民が取得しそうだし、逆に「川口」、「越谷」はそこの住民が「大宮」へ流れそうな感じもする。
 
ほんとうに「ご当地ナンバー」が「地域の活性化や観光振興につながる」のなら、該当各地域の自治体と国交省は導入後の費用対効果を数値で示してみるべきではなかろうかと思うのである。
 
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