<第六十屆澳門格蘭披治大賽車(60th MACAU GRAND PRIX)>
今年で第60回を数えるマカオグランプリ。11月9-10日、14-17日の日程で開催され、17日にFIA世界ツーリングカー選手権(WTCC)とF3(フォーミュラー3)の決勝戦が行われたので、久しぶりにマカオで観戦した。
マカオグランプリは1954年から始まった伝統あるレースで、1983年から現在までF3規格としてのレースとなっている。F3はF1、GP2に次ぐカテゴリーで、F1ドライバーへの登竜門である。中でもマカオグランプリはヨーロッパ、アジアの上位ドライバーが集結したF3のみの特別イベントという位置付けだが、事実上のF3世界一決勝戦である。
(観覧席からの今年の決勝シーン。とにかく速い!)
F3と同時開催でFIA世界ツーリングカー選手権(WTCC)、第47回モーターサイクルグランプリ(二輪)も同じコースを走行する。中でもWTCCはヨーロッパ、中南米、アジア各国と転戦し、マカオが最終戦となる市販車改造レース。
(今年の決勝前シーン)
かつてはモナコ・モンテカルロと並ぶ世界二大公道レースとしても知られ、期間中は朝6:00から夕方18:30まで、レース対象の道路が封鎖されてしまう。長いストレートの海側コースから、市街地独特の幅員が狭く、難コーナーが続く山側コースを通って一周するが、特に山側は世界遺産に登録された旧ポルトガルの「ギヤ要塞」跡のど真ん中を通過し、最後に180度ヘアピンカーブという難易度の高いコースである。
「F1のタイガー・ウッズ」と呼ばれるルイス・ハミルトンもマカオGPに2003年、2004年と参戦しているが、成績の方は2003年リタイヤ、2004年14位といま一つパッとしていない。それだけマカオGPが厳しいとも云える。
日本勢は有名どころでは、鈴木亜久里、松田秀士、服部尚貴、土屋圭一、影山正美ら各氏が参戦している。1999年に伊藤大輔氏が3位、松田次生氏が4位に入るまでは、1989年の中谷明彦氏の4位が最高だったのだから、難易度がいかに高いかがわかる。
2001年に佐藤琢磨選手が優勝、2004~2006年には往年の名レーサー中嶋悟氏の息子・中嶋一貴選手が参戦している。2007年はTOM'Sの大嶋和也選手(トヨタ)、Manorの塚越広大選手(メルセデス)、ASMの小林可夢偉選手(メルセデス)、フォーテックの伊沢拓也選手(メルセデス)が参戦、最終結果は2位に塚越選手、3位に大嶋選手が入賞 。
今年は14日(木)、15日(金)が練習走行で、16日(土)予選、17日(日)が決勝だった。F3は一週目からクラッシュ発生でセーフティカーが入る荒れた展開となったが、前日の予選でポールポジションを獲ったアレックス・リン(英国、セオドール/プレマパワー)が後続の追い上げを抑えて、堂々の優勝を勝ち取った。
日本勢では、関口雄飛(ミュッケ/ユーロノヴァ)が11位、予選1回目にクラッシュし苦戦していた全日本F3チャンピオン中山雄一(TOM'S)が12位、千代勝正(B-MAX ENGINEERING)が15位でレースを終えた。
(パドックでの中山選手インタビュー。偶然出くわした)
(関口選手のマシン、パドックにて)
F3コースをタクシーで走ってもらったことがあるが、どう見ても一般道路である。ここを走るとは、一言でいえば「信じられない」世界。香港からターボジェット(高速船)で一時間弱、フェリーターミナルを出ると、そこには「異次元」の世界が展開しているのである。
(フェリーの船体広告もマカオグランプリ仕様に!)
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