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「クリミア汗国」再来か?

 
ロシア人が人口の半分を占めるクリミア自治共和国ウクライナから“独立”したとしても、すぐにロシアの属国化またはロシアとの合併という流れに移行することは十分に考えられることである。
 
読売新聞2281124分配信記事↓
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クリミア、分離の動き加速か5月に住民投票
 【セバストポリウクライナ南部)=佐藤昌宏】ウクライナからの分離の動きを強めている南部のクリミア自治共和国議会は27日、自治権拡大と、同日に発足したウクライナ連立政府に対する賛否を問う住民投票を5月25日に実施する決議を採択した。投票の結果次第では、分離の動きがさらに加速する可能性がある。
 一方、インターファクス通信によると、同議会のあるシンフェロポリで28日未明、約50人の武装した集団がシンフェロポリ空港に侵入、占拠した。空港にロシアの旗を立てるなどしているという。
 同議会の議事堂は27日未明に親ロシアの武装集団に占拠されており、議会は占拠された状態で開かれた。
 住民投票と同じ日には、ヤヌコビッチ政権崩壊に伴うウクライナ大統領選挙が実施されるが、新体制への反発が強いクリミア自治共和国で大統領選投票が実際に行われるかどうかは未知数だ。(以上引用)
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ウクライナ側から見れば、クリミアの分離独立を避けるためにはあらゆる手段で国際世論を喚起しなければならない。しかし政権崩壊から新政権の発足の只中にある現状で、それを実行できる人材がすぐ現れるかどうかは疑問である。
 
するとウクライナ側の次善の策として、クリミアの人口の1割程度ではあるが元々の民族であるクリミア・タタール人を焚き付けて、クリミア域内で民族紛争を激化させるよう仕組むという手がある。上手くやってクリミア・タタール人の独立心に訴えることが出来れば、かつて栄えたクリミア汗国』15世紀中頃~1783)の復活も夢ではない。
 
もっとも歴史的にウクライナはクリミア汗国に侵略され通しだったので、民族感情としてはそれを嫌悪するであろうし、またそれを実現できるだけの策士がウクライナ政界にいるという話も聞かないので、残念ではある。
 
むしろ『クリミア汗国』再来というイリュージョンは、今ウクライナから分離を画策しているロシア系住民とロシアにとって、使い出のあるものになるだろう。もし私がロシア政府幹部ならば、クリミア独立のダシのひとつとして使う。
 
翻ってロシア、EU、そして米国に共通して云えるのは、東欧~旧ソ連西方地域の安定と現状維持である。そうすると仮にクリミアが独立を宣言した場合、独立国家共同体(CIS)に加盟するのがロシア、EU、米国の三者共通の利益になる筈である。
 
勿論、創設メンバーのウクライナが黙っている筈がないので、ロシア、EU、米国がどう落としどころを考えるか、そこがカギとなるであろう。
 
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