賭狂がゆく

港澳(香港、マカオ)往来28年、人生如賭博

香港大学内の天安門事件像「國殤之柱」

 
香港という都市は、有名な観光名所のみならず相当マイナーな場所や店舗に至るまで、今まで数多くのガイドブックやメディアで取り上げられてきた。ところが日本の観光メディアが何故か取り上げて来なかった「名所」が存在する。
 
それが今回ご紹介する、香港大学構内にある「國殤之柱」すなわち天安門事件モニュメントである(英語表記:Pillar 0f Shame)。
 
香港大学は香港の公立大学1911年創立。世界の大学ランキングでは毎年概ね30位台にランクされている(我が国の東京大学と同程度)。ちなみに中国革命の指導者・孫文は、香港大の前身の「香港華人西醫書院」を卒業した。メインキャンパスは香港島西部に位置している。
 
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校内は自然環境を生かした、落ち着いた造りになっており、また「香港美術博物館」は香港最古の博物館として内外に有名である(一般見学可)
 
例のモニュメント「國殤之柱」は学生食堂と学生自治会のある建物の中庭(黃克競樓平台)に鎮座している。
 
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香港返還年の1997年にデンマークの彫刻家、Jens Galschiøt 氏が製作し、同年6月4日の天安門事件追悼集会の後で香港大学内に運び込まれたという由来を持つモニュメントである。
 
土台部分には、中国簡字体で「六四屠殺」と記され、また彫られている人々の苦痛に満ちた表情は、中国共産党政府によって鎮圧虐殺された死亡者の無念を象徴している。
 
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「國殤之柱」が日本で出版されている観光ガイドブックに一切掲載されていない理由はおそらく、ひとつには香港大学自体が観光施設ではないためと、もうひとつは日本メディアが中共との軋轢を恐れて自主規制しているためではないかと思われる。
 
返還以来17年、香港に於いても中共の政治・思想統制の圧力が日増しに強まる中で、この「國殤之柱」は大切に守られてきた。しかし、もしもこのモニュメントが香港大学構内から撤去されるならば、その時が自由民主都市・香港の終焉となるのだろう。
 
大学自体は一般市民・海外よりの参観客の来場を歓迎しており、校内にはビジター・センターもある。
 
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(ビジター・センター)
 
皆様が個人で香港を訪れる機会があれば、是非ともこのモニュメントの参観をお薦めする次第である。
 
場所:香港薄扶林(香港島西部)、香港大学本部校舎
 
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