賭狂がゆく

港澳(香港、マカオ)往来28年、人生如賭博

占領香港:9.28から1ヶ月

 
 
イメージ 1
(右の垂れ幕は「9.28、私は逃げない!」という意味。10.13筆者撮影)
 
<学生決起~中環(セントラル)占拠~催涙弾の夜>
 
戴耀廷(ベニー・タイ)香港大学法律系副教授ら、「佔中三子」と呼ばれる三名の発起人が「領中環」計画実行を宣言したのが、去る9月28日未明のことだった。
 
※「佔中三子」
・戴耀廷(ベニー・タイ)氏:香港大学法律系副教授
・陳健民氏:香港中文大学社会学系副教授
・朱耀明氏:牧師
 
元々は10月1日の国慶節に合わせて決行される筈だった「領中環」計画が前倒しになったきっかけが、その1週間前の9月22日から始まった学生たちの「罷課(授業ボイコット)」だった。以下に9.22から9.29までの流れをまとめてみた。
 
・9月22日
中共全人代8.31決定に抗議するため、香港專上學生聯會(略称は學聯香港大学など8校の学生会連合)と準大学の専門教育学院7校の学生会が一週間の授業ボイコットを開始。
中学生を主体とする学生団体「學民思潮」(代表・黃之鋒君(Joshua Wong,香港公開大学学生)も連携して授業ボイコット。
学生たちの集会場と化した香港中文大学には、約13千人の学生が集結。
 
※香港の教育制度は日本でいう中高一貫、例えば中学4年生は日本の高校一年生。
 
・9月23日
香港政府総部前の「公民広場」で学生たちが座り込みを始める。
 
・9月24日
學聯の大学生700名が中環(セントラル)で「公民抗命」デモ。
 
・9月25日夜
学生に市民が加わった約4,000名が行政長官官邸を包囲、座り込み。
 
・9月26日
香港警察は無抵抗の学生たちに胡椒スプレー噴霧し、拘束を開始。負傷者23人、中学生を含む13人逮捕。「學民思潮」代表の黄之鋒君も逮捕される。
 
・9月27日
黄君の実家に家宅捜索。中学生1,500人を含む学生多数が、拘束された仲間の釈放を求めて香港政府総部前に座り込み抗議。さらに中学生主体の学生約100名が政府総部の建物内に侵入し、逮捕者多数。
 
・9月28日
未明、学生たちの決起を受けて「佔中三子」が「領中環」計画実行を宣言。
一般市民も加わって数万人が政府総部周辺の道路占拠を開始。夕方、香港警察は両手をあげ無抵抗の抗議者たちに催涙弾87発を断続的に発射。学生たちは雨傘を広げて催涙弾を防ぐ。そして警察は学生相手に実弾発砲も辞さずとの脅しを始める。
香港高裁が、「學民思潮」代表・黄之鋒君の理由なき拘束は香港警察による違法拘束であるとして、「人身保護条令」に基づき釈放命令を出す。
 
・9月29日
前夜の警察による催涙弾発射と無抵抗の学生たちを排除する映像がTV、インターネットに流れ、憤激した多数の一般市民が学生たちに合流、その数6万人以上。
中環(セントラル)から政府総部のある金鐘(アドミラルティ)だけでなく、香港島最大の繁華街・銅鑼湾(コーズウェイベイ)九龍半島の繁華街・旺角(モンコック)に大挙繰り出して占拠を始める。
そして台湾でも学生集団「太陽花(ひまわり)學運」が大集会開催、香港の民主派学生・市民を応援する声明を出した。
 
あれから1か月、香港民主派の人々がよくぞここまで持ちこたえて来たものだと感嘆を禁じえない。
 
もとより香港の命運を決めるのは香港人ではあるが、国際金融都市・香港は毎年ウォールストリート・ジャーナルと米ヘリテージ財団が発表する「経済自由度指数」トップの自由経済都市でもある。
 
そして経済の自由を担保するのは、言論の自由や公正な選挙の実施などの政治的自由と基本的人権の保障がきちんと為されているという事。従って全世界の自由と民主主義を守る人々にとって、香港の命運は重大事なのである。中共が「内政干渉」云々と文句をつけているのは、とんでもない間違いだ。
 
真の公正な普通選挙実施のために立ち上がった香港市民を応援し、中共の弾圧を糾弾するのは、自由経済と民主主義を享受している諸国民にとって「義」の戦いなのである。
 
… … … … … … … … … … … … … … … … … …
ブログランキングに登録しています。
応援いただければ、下記アドレスをクイックお願い致します。
         ↓
… … … … … … … … … … … … … … … … … …