賭狂がゆく

港澳(香港、マカオ)往来28年、人生如賭博

80年前も共産「連合政府」の甘言に油断禁物

 
日本共産党民主党をはじめとする野党に、「国民連合政府」を呼びかけている。
反安保で国民を上手く騙して安倍政権にダメージを与えたとほくそ笑む日共は、どうやら「ここが勝負時」と考えているらしい。
 
この「国民連合政府」構想はすでに80年前、中国共産党が実行し成果を収めたものである。もともと中共も日共もソ連コミンテルンの下部組織であり、戦間期はその指示に従って国際共産主義の拡張に暗躍した。その戦術的手段のひとつが、他勢力を或る目標の下に抱き込んで、その中で自己勢力を増殖させるものであった。
 
すなわち1935年8月のコミンテルン第7会大会で決議されたのが、世界規模の反ファシズム統一戦線の構築。これに基づき中国共産党に指示されたのが、当時共産勢力を駆逐しつつあった蔣介石の国民党に対して、日本をダシにして「抗日民族統一戦線」を構築することだった。
 
そして同月、毛沢東らは国民党の外、シナ全土の地方軍閥勢力や各党派、都市の知識層らに対して、「連合政府」の樹立と、「日本」という存在を共通の敵と捉えて共同戦線を張ろうと呼びかけたのである。
 
今の日共が他の野党に「安保法案破棄」「安倍政権打倒」を目標として「国民連合政府」に向けて結集を呼び掛けているのは、この80年前のコミンテルン指示を復活させただけに過ぎない。
 
しかも中共は当時、その共産党軍を連合政府の指導下に置くと宣言した。今の日共が、「国民連合政府」実現の暁には自衛隊を廃止せず、日米安保も維持すると言っている(志位委員長)のも、80年前の中共と同じことなのである。
 
20世紀の世界各地でこのような政治状況が生じたが、共産勢力と手を結んだリベラル勢力、民族派勢力は大抵が共産党に食い尽くされて潰れている。これはスターリンが唱えたとされる「砕氷船のテーゼ」で、敵主力には自分が当たらずに他のリベラル・諸派勢力を当てて、両者が消耗し尽くした後に滅ぼすというクレバーな策を実行したからである。
 
20世紀は共産主義社会主義が世界を席巻した時代であった。一度は共産思想に惹かれるのが当時の知識人の常であり、それが一種の時代精神ともなっていた。共産主義は理想主義の一種として各種民主主義の範疇の中で論じられていたが、それが実はファシズムの一種だったことが判るのは世紀末になってからであった。
 
しかしながら現在は21世紀。一部の発展途上国には「毛沢東派の共産武装勢力」などというアナクロ過ぎる代物はあるが、先進国に於いて共産主義が天下を取るという事態は生じない筈である。何故ならば、共産党という存在そのものがアナクロだからである。
 
但し、我が国ではソ連、東欧の共産主義諸国が崩壊後も、知識層の中のマルキストが淘汰されず、現在に至っている。自民への批判として共産に一票を投じる人が意外に多いのも、共産主義ファシズムの一種であると認識していないからに他ならない。
 
恐らくは日本共産党も、その辺りは計算済みの上で、「瓢箪から駒」の状況に導こうと画策しているのだろう。油断は禁物である。
 
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