賭狂がゆく

港澳(香港、マカオ)往来28年、人生如賭博

勤め人の宿命:異動と出向

 
4月は入学シーズン、新社会人なら入社シーズンである。そして既存の社会人なら「異動」シーズンの到来である。その「異動」も悲喜こもごものケースが多いのは、勤め人なら誰しも知っていることだろう。
 
なかでも際立っているのが、「出向」という異動。
 
3年前に一世を風靡したTVドラマ半沢直樹の影響で、「出向 = 左遷」という構図が世間一般に流布してしまった感がある。特に銀行業界では経営最高幹部として生き残れる人はほんの一握りなので、異動と出向はまさに生存競争の極致と言えようか。
 
他の業界でも大なり小なり、そんなイメージがあるようだ。先日社内で、コンプライアンス遵守に関するドラマ仕立ての学習DVDの視聴があった。ドラマに登場した某建設会社のポープ部長が、反社会勢力の接待漬けの末に反社企業への便宜を図り、それが露見するというストーリーだった。
 
その最後のナレーションは、
「役員の座に一番近いと噂されたA部長は、この事件の責任をとらされ降格処分の上、子会社に出向となった」
というもの。
 
ここでは「出向」は左遷どころか、「懲戒処分の人事」というイメージになってしまっている。すると出向先の会社は『網走番外地』的な吹き溜まりの劣悪企業なのか?とツッコミを入れたくなってしまうのだが・・・。しかし現実の「出向」には色々なケースがあって、決して左遷や懲戒を意味しているばかりではない事は、長年の勤め人なら誰しも知っていることだろう。
 
斯く云う私もこのたび、四ツ谷の本社ビルを離れて「出向」と相成った。ところが出向先は、なんと業界団体の某組織。一般的な会社組織ではない。
 
実は小生、過去2回「出向」を経験しているが、流石に業界団体への出向は思いもつかなかった。こんな所は業界のお偉いさんが名誉職的な感じで行くものと信じ込んでいたから。
 
今後は自社の利益よりも先に、業界の社会的地位と利益を考えて行動せねばならない。しかしそうは言っても属する会社の代表としての立場も堅持せねばならず、微妙な立ち位置ではある。
 
良い点は、営業予算達成やら目標達成やらのノルマが無いこと。これは今迄の会社人生で初めての経験と云ってよい。サラリーマンの方なら、営業ノルマが無いという事がどれほどの驚異的な話であるかが、よくお分かりのことだろう。
 
もっとも課せられた役割は、それ以上に重大なものなのだが・・・
 
やはり世の中、楽して稼げる仕事はないということか。
 
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