賭狂がゆく

港澳(香港、マカオ)往来28年、人生如賭博

博奕で使う「ベイズ統計」お薦め本

 
かねてより書いているように賭人(ギャンブラー)たるもの、確率論に基づかずにギャンブルへ金を投ずる事は金をドブに捨てる事と同じである。
 
そこで毎回筆者が使っているのは、ベイズ確率頻度確率の両方である(学者間の論争は取り敢えず無視して)。但しどちらかというと、7割くらいのケースではベイズ確率論に基づいた判断を行うので、ベイジアンベイズ主義者=ベイズ確率論の信奉者)と言ってもいい。
 
当ブログで度々述べている「選挙賭博」では、典型的なオッズ比の関係式を用いて当選オッズを算出している。この場合に使う確率「P」値の算出に当たっては、不確かな事象も柔軟に定量化しようとするベイズ確率の考え方で対処している。
 
カジノ賭博を論じる際によく引き合いに出される「大数の法則」は、時間無制限という前提の下での話である。例えばコインを投げて「表」「裏」の出る確率は1/2であるが、ある期間を限定した場合にどちらか一方が偏って出現する場合がある。しかし回数を限りなく増やせば、偏りがあっても1/2に収斂されてゆく。
 
カジノのハウス(カジノの経営側= 胴元)が経営の根拠とするのはこの大数の法則」である。勝っているギャンブラーが一部いるとしても全体で見れば負けている客が大多数という事と、ハウス側は時間無制限勝負(徹夜連チャン)が可能かつチップ交換も自在に出来るのに対し、個々のギャンブラーはそんなことが出来ない、つまり勝ち続けることが出来ないからである。
 
従ってハウスがカジノ内の其々のゲームの配当倍率を決めるに当たっては、大数の法則」の前提である「イカサマは無い」という仮説を基として出現率・勝率を考える頻度確率論を尺度としている筈である。もし確率論で使われる尺度を用いずにハウスが恣意的な数字を示せば、あっという間に客離れが起こるからである。
 
しかし、ある限定期間に生じる事象について、「偏り」や「恣意的な事象」という仮説、数値が存在している可能性がある場合、その不確実性を確率で表現する=定量化にはベイズ確率論が優れていると考えられる。
 
そして長期間、不眠不休で博奕を打つギャンブラーは今のところ存在しない筈だから、ハウス側の思考を読んだ上で採るべき手は「設定した目標数値またはプレイ時間に達したら撤収する」という作戦を繰り返すこと。このためにベイズ確率の思考が大切になってくるのである。
 
◎さて、そこでベイズ確率論(ベイズ統計)を理解するに当たって最も理解しやすい書籍を2点ご紹介したい。
 
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1.図解・ベイズ統計「超」入門
あいまいなデータから未来を予測する技術
 
 
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作者: 涌井貞美、出版社: SBクリエイティブ(サイエンス・アイ新書)
201312月刊
 
ベイズ確率(統計)の入門書は既にたくさん出ているが、最もわかりやすい書籍はこれが一番である。コラムも秀逸、いろいろな話が載っていて楽しめる一冊である。
 
2.史上最強図解 これならわかる!ベイズ統計学
 
 
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作者: 涌井良幸,涌井貞美、出版社: ナツメ社
20122月刊
 
これもベイズ統計学の定番と言えるもの。身近な例を使ったわかり易い解説と豊富な事例が評価できる一冊。
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ただし、賭博の全ての種目についてベイズ確率論が最適な思考法という訳ではない。バカラや大小、ルーレットなどは頻度確率論が向いているが、ポーカーやブラックジャックなど駆け引きの要素が大きいカードゲーム、そしてクラップス、競馬などはベイズ確率論で考える方が有利であろう。
 
ちなみにパチンコ、パチスロ、電子化されたスロットマシンの類は考えるだけ無駄、やるだけ無駄である。
 
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