賭狂がゆく

港澳(香港、マカオ)往来28年、人生如賭博

「横浜死ね」と誰も呟かず…

 
流行語大賞で「保育園落ちた日本死ね」というのが選ばれた。「日本死ね」は問題提起のために必要だ・・・と選考委員たちは言いたいようである。もしくは、自分の思うように物事が運ばなければ「~死ね」と毒づくのが、現在の日本の流行だ・・・とでも考えているのだろう。
 
しかし常識で考えれば、世の中何でも自分の思うように成るものではない。また問題点を指摘し批判するのは当たり前のことだが、その時に一々「~死ね」と毒づくか?
 
たまに、自分の気に食わない出来事や相手に対して「バカ、アホ」とか「死ねバカ」とかを口癖のように言っている人もいる。筆者の会社にも大昔いた。しかし、その御仁には仕事以外で近づきたくなかったし、私以外の人も大方は「敬して遠ざけ」ていた。但し、その御仁の部下は気の毒だったが。
 
私が思うに、大の大人が自分の意に沿わぬことに対して「死ね」と公言するのは、単に自分が幼稚ですと曝け出しているに過ぎない。「保育園落ちた日本死ね」のブログ主は人の親であり立派な大人であるが、要するに「幼稚脳」の哀れな生命体なのである。
 
こんな「幼稚脳」による「日本死ね」が本当に流行しているのなら、日本のあちこちで待機児童・保留児童に対する自治体の処置に業を煮やした人が、例えば「東京死ね」とか「大阪死ね」と呟いている筈だが、聞いたことが無い。
 
先日も横浜の保留児童問題で、こんなニュースがあった。
 
新横浜新聞 2016125日記事↓
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横浜18区中”最悪”の港北区、認可保育園へ入れぬ「保留児童」は950人超に
 
港北区内で認可保育所(小規模保育園含む)に希望しても入れない「保留児童」が昨年(2015年)より悪化し、1000人に近づいていることが横浜市が発表した今年(2016年)101日現在の資料でわかりました。区内では昨年同時期と比べ保育所8カ所増設し、入所定員を243人増やしたものの、利用需要が上回っており、市内18区で“最悪”の状態は脱していません。(以下略)
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筆者の周りの子持ちの横浜市民たちにも聞いてみたが、「横浜死ね」とか「港北区死ね」などとSNSで発信している奴は見たことも無いと言っていた。
 
それはそうだろう。「横浜死ね」の横浜を構成するのは横浜市役所や各企業だけでなく、横浜市域の土地と住人、そこに職場がある人々である。「横浜死ね」という投げかけは、その人々に対する人権侵害となってしまうから、まともな人は発しない。
 
同様に「日本死ね」も、待機児童問題を処理する官庁や関係者だけでなく、日本国を構成する一般の日本国民に「死ね」と突きつけているのである。
 
こんなのは選考委員たちの言う“問題提起”でも何でもなく、最低の人権侵害暴言でしかない。そして選考委員たちは「幼稚脳」生命体による人権侵害の片棒を担いだ訳である。
 
委員の俵万智氏が見苦しい言い訳を吐いているようだが、つまらん戯言は止めてさっさと「日本死ね」という常軌を逸した文句を選んでしまったことを謝罪すべきである。
 
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