賭狂がゆく

港澳(香港、マカオ)往来28年、人生如賭博

祝IR(カジノ)法案可決、パチンコにメス入れよ

 
 
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衆議院インターネット審議中継より、法案採決)
 
IR(カジノを含む統合型リゾート施設)整備推進法案は、15日未明の衆院本会議でやっと可決された。関係者の皆さん、特に衆院差し戻しで待機を余儀なくされた推進派衆院議員の皆さんにはお疲れ様でした(今朝、IR議連のN議員と話したが、本当に疲れ切っていた)。
 
もっとも、この法案はあくまでも「推進法」でしかない。今後1年以内に提出される予定の「IR実施法案」が成立してはじめて、IRの建設が開始される訳である。従ってこの度の法案可決は、やっと一歩を踏み出したに過ぎない。
 
だが「たかが一歩、されど一歩」で、思えばこの一歩を踏み出すだけに今迄どれほどの時間を浪費したか。以前のエントリーで述べたように「政権による賭博推進」と云う我が国開闢以来初の出来事である点を差し置いても、IRの本質から外れた議論が先行していたことを考えると、「法案成立は性急すぎる」という批判は的外れもいいところである。
 
例えば病的賭博(いわゆる、ギャンブル依存症)の問題にしてもそうである。
 
2014年に厚生労働科学研究の結果として、ギャンブル依存症の疑いがある者が536万人(人口の4.8%)、その内男性が438万人(同8.7%)、女性が98万人(同1.8%)という数字が出ている。
 
しかしその内訳は、パチンコ・パチスロ依存が8割以上を占め、残りは公営ギャンブル、そして海外カジノの依存症は無いに等しい。成人男性の1割近くが依存症の疑い、かつその殆どがパチンコ・パチスロというのは世界に例を見ない。カジノの有る国よりも高い比率である。
 
 
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(パチンコに嵌るアホは日本人だけ)
 
ちなみに人口約65万人、面積約30K㎡の土地に大小合わせて38軒ものカジノ施設が建ち並ぶ賭博立国・マカオでは先日、マカオ大学コマーシャルゲーミング研究所(澳門大學博彩研究所)がマカオ政府の委託で実施した「2016マカオ市民賭博参加調査」の結果が発表されている。
 
澳門大學 博彩研究所
 
それによれば、マカオ永久性居民(マカオ居留資格保持市民)の賭博参加率は51.5 %と如何にもマカオらしい数字だが、内訳はというと、
 
●六合彩(宝くじの一種、日本のロト6に相当)36.9
●一般的なカジノ施設 10.4
●スロットマシン施設  6.5
 
残りは競馬、ドッグレース、サッカーくじ、バスケットボールくじ等である。
 
 
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(六合彩。維基百科より)
 
興味深いのは、カジノとスロットマシン場に行く人が参加者全体の2割もいないこと。そして宝くじもギャンブルとカウントすれば、日本の賭博参加者の数は更に増加するであろうという事である。
 
このように他国の事例をロクに研究もせず、また宝くじやロトなどの公営くじに嵌まる人を放置し、かつパチンコ・パチスロ依存症問題に取り組んでこなかった連中が今頃になって「カジノ解禁でギャンブル依存症が増える恐れがある」云々とは、国民を馬鹿にするにも程があるというものだ。
 
IR推進法案の成立による依存症対策の推進は、今まで「ギャンブルではない」という建前で放置されていたパチンコ・パチスロにメスを入れる絶好の機会でもある。
 
122日、衆議院内閣委員会では「IR推進法案」本体のほか、15項目の附帯条項が決議された。
その内、カジノ入場規制に関する条項9番とカジノ管理委員会条項12番、
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9.入場規制の制度設計にあたっては、個人情報の保護との調整を図りつつ、
個人番号カード(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律第2条第7項に定める個人番号カード)の活用を検討すること。
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12.カジノ管理委員会は独立した強い権限を持ついわゆる「三条委員会」として設置し、カジノ管理委員会がカジノの営業規制を厳格に施行できる体制の構築が不可欠であり、特にカジノ導入時から厳格な規制を執行できるよう十分な機構定員を措置すると共に、適切な人材を配置するほか、厳格なカジノ営業規制等や関係事業者に対する行政処分等の監督を有効に執行できる人材育成のあり方も検討すること。また、特定複合観光施設の設置の前提として、犯罪防止、治安維持、青少年の健全育成、依存症防止等の観点から問題を生じさせないようにするため、都道府県警察その他関係機関の必要な体制を確保すると共に、カジノ管理委員会とこれらの関係機関の連携体制を確保すること。
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「個人番号カード」とはつまり、マイナンバー・カードである。ギャンブル依存症患者だけでなく生保受給者についてもマイナンバー提示を義務付けして監視すべきである。同時にパチンコ、パチスロマイナンバー・カード提示入場とすべきだ。
 
また「カジノ管理委員会」を公正取引委員会国家公安委員会原子力規制委員会と同じ「三条委員会」とするのだから、パチンコ、パチスロも規制対象に加えればよい。そうすれば現在の不透明な警察支配を辞めさせることが出来る。
 
このように次のIR実施法案の策定と成立に向けて、課題を広く国民に提示し、議論を進めるのが望ましいのである。
 
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