賭狂がゆく

港澳(香港、マカオ)往来28年、人生如賭博

リニア不正受注事件への疑問

 
JR東海が民間企業なので、東京地検特捜部は「偽計業務妨害」容疑により調査している。彼らもマスコミも所謂“スーパーゼネコンの不正”という前提で捜査、報道している感があるが、私見ながら些か疑問を感じざるを得ない。
 
公共工事の不正と言えば、何でもかんでも「ゼネコンが悪い」という国民に対しての刷り込み(一種の洗脳)が為されて久しいが、本件については発注側(JR東海)が全ての絵図を描いている…という発想は無いのだろうか?
 
そして今回の「名城非常口」新設工事では、競合の鹿島建設他JVの出した応札価格約100億円に対して、大林組他JV(大林組戸田建設・ジェイアール東海建設の3社)は約90億円。そしてJR東海の積算価格の95%前後ということで、これも不正の証拠として調べられているらしい。
 
読売新聞1215日配信記事↓
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大林組、見積額の95%提示…漏えい情報利用か
 リニア中央新幹線の建設工事を巡る不正受注事件で、大手ゼネコン「大林組」(東京)が、発注元のJR東海が独自に見積もった価格の95%前後の金額を提示し、名古屋市の非常口新設工事を受注していたことが関係者の話でわかった。
 ほかのゼネコンはいずれもJR東海の見積もりをオーバーしていた。東京地検特捜部は、JR東海側から非公開情報を聞いた大林組が、見積価格の上限に近い高値での受注に成功したとみて調べている。(中略)
 関係者によると、入札にはゼネコン数社が参加。JR東海が算出した工事費の見積価格は九十数億円で、「鹿島建設」(東京)が約100億円を提示したのに対し、大林組は参加企業で唯一、見積価格内に収まる約90億円を示したという。(以上引用)
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このリニア関係工事には、国民の税金も投入されている。それが10億円も浮いたのだから、大林組は称賛に値すると思うのだが。
 
それに発注側の積算価格の95%が異常に近い数値として疑わられるのであれば、東京地検はそれ以上に近い数値の官公庁発注工事についても公正に調べるべきではないだろうか。
 
例えば当ブログ7/24のエントリー、
横浜市長選と某工事入札に思う>
 
ここで書いたように、横浜市発注・7月3日入札の横浜市立市民病院再整備診療棟工事(建築工事)」は同月14日発表で戸田建設・松尾工務店・馬淵建設JVが落札した。WTO案件で、発注元は横浜市医療局病院経営本部。
 
この案件の予定価格(税別) は、146億7000万円。そして横浜市のルールでは、予定価格は結果発表後、契約締結時に公表することになっている。
 
この案件に応札の2グループが出した金額は、
 
戸田建設・松尾工務店・馬淵建設JV:146億5000万円(税別)
大成建設・風越建設・土志田建設JV:185億円(同)
 
なんと戸田JVは予定価格との差が2千万円という正確さである。
これは非公開(の筈の)予定価格の99.86%・・・
しかも大成JVとの差が、38億5千万円(!)という大きさ。
 
これは単なる偶然なのか、それとも戸田建設には相当腕利きの営業か「世界一積算マスター」とかが居るのだろうか?
 
ところが誰も、何の疑問も出されず、横浜市民病院の工事は現在進行している。
 
146億円の工事に対してこういった事例がまかり通る一方、90億円の工事に対しては「落札額が積算価格の95%というのが怪しい」と言うのは、何かおかしいのではないか?
 
私たち一般国民は「秋霜烈日」を旨とする検察を信頼する他ないが、特定の組織、人物に対して恣意的な捜査が行われているとすれば、憂慮を禁じ得ないのである。
 
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