賭狂がゆく

港澳(香港、マカオ)往来28年、人生如賭博

今月の歌「知るも知らぬも逢坂の関」

 
昨日帰宅途中、偶然或るカプセルトイ(通称:ガチャガチャ)が目に留まった。

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エポック社カプセルトイ(ガチャガチャ)百人一首ぽおち>で、以下の5種類のポーチが出てくる仕掛けになっている。
三、蝉丸
五、紫式部
 
そこで早速300円入れて回したら、出てきたのがこれ
 
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百人一首」の第十番、詠み人は蝉丸。原典は『後撰和歌集』。
 
そこで今月の歌は、卒業・異動シーズンの3月という季節に相応しいこの一首を。
 
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「これやこの 行くも帰るも 別れては
     知るも知らぬも 逢坂(あふさか)の関」
(歌意)
これが京の都から(東国へ)行く人も、また京に帰ってくる人も、知り合いもそうでない人も、ここで出会うという逢坂の関なのだなあ。
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人の世の出会い別れを歌枕の「逢坂の関」(三関のひとつ、現・滋賀県大津市)に掛けて詠んだ、無常観の漂う佳作である。
 
この、日本人なら誰しも知っている「百人一首」。最近ではコミック・アニメ「ちはやふる」が映画化されて(主演・広瀬すず)大ヒットしたので、より身近に感じられる方も多いだろう。
 
考えてみれば後撰和歌集の成立は諸説あるも概ね1,060年前、藤原定家小倉百人一首を編纂したのが約800年前。
 
そんな古い文芸作品を現代日本人がストレートに理解でき、そして古典がそのまま玩具の1ジャンル「カプセルトイ(ガチャガチャ)」に使用出来るという所に、日本の「ソフトパワー」の奥深さが感じられるのである。
 
たかがガチャガチャ、されどガチャガチャ…と言うべきか。
 
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