賭狂がゆく

港澳(香港、マカオ)往来28年、人生如賭博

香港・李嘉誠氏の引退~時代の終焉か始まりか

 
香港の実業家で大富豪としても知られている李嘉誠氏(89)が10日、自身が創業した複合企業大手・長江和記実業(CKハチソンホールディングス)と不動産大手・長江実業集団の会長を退任した。
 
日本経済新聞511日朝刊記事↓
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香港の「超人」李嘉誠氏引退
香港の複合企業大手、長江和記実業(CKハチソンホールディングス)と不動産大手の長江実業集団は10日、それぞれ株主総会を開き、両社の主席を務めていた李嘉誠氏(89)が現役を引退した。後を継ぐ長男の李沢鉅(ビクター・リー)氏(53)は李嘉誠氏が築いた事業の骨格を維持する方針を表明した。株主からは一代で巨大な財閥を築き上げた「超人」の引退を惜しむ声が相次いだ。(以下略)
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李嘉誠氏は広東省潮州市生まれの客家人第二次世界大戦後の香港の経済発展を牽引した、まさに立志伝中の人物である。
 
中共要人とも太いパイプを持っているが、自身は最後まで中共の「中国人民政治協商会議」(略して「政協」)役員にならなかったのは流石だった(但し息子たちは政協委員)。
 
ちなみに「客家人」とは漢民族のカテゴリーのひとつで、別名「東洋のユダヤ人」。古くは春秋戦国時代後期以来、戦乱等を避けて中原から南へ逃れた人々のことを指す。
 
特に近代中国史では、多くの著名人を輩出している。例えば「太平天国の乱」の指導者・洪秀全や中国革命の父孫文孫文夫人の宋慶齢蒋介石夫人の宋美齢、そして中共大元帥筆頭の朱徳、同じく十大元帥で元老の葉剣英、改革開放路線を主導した鄧小平など。
 
現在では特に華僑社会で大きな影響力を持ち、華僑経済の1/3以上は客家人が握っていると言われている。香港の李嘉誠氏やインドネシア経済の大物・林紹良氏、政治家ではフィリピンのコラソン・アキノ元大統領、シンガポールリー・クアンユー氏、台湾では李登輝元総統、陳水扁元総統、そして現総統の蔡英文氏も客家人である。
 
著名客家人のひとりでもある李嘉誠氏の引退、香港経済はもとより華僑社会の中に於いても、「ひとつの時代」が終わり「何かが始まる」象徴なのかも知れない。
 

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