賭狂がゆく

港澳(香港、マカオ)往来28年、人生如賭博

香港本土派「熱血公民」との再会

 
いつもなら7月は香港の方が東京よりも蒸し暑いのに、今年は完全に逆転している。羽田空港に降り立った途端、香港以上にむっとした暑さだったのには閉口した。
 
さて、昨日のエントリーで記した香港Book Fairでの意外な出会いとは、香港民主本土派政党「熱血公民」創始者である黄洋達さんとの再会であった。
 
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(黄洋達さん(右)と筆者)
 
たしか4年前のエントリーで書いたと思うが、筆者と香港民主派との直接的な関わりは、家族旅行でたまたま香港にいた2014年1月1日に行われた民主的選挙実現を訴える大遊行(デモ)の時だった。
 
この時に「熱血公民」の運動員から機関紙を頂き、少々立ち話をした(英語で)。後の『雨傘革命』発生後に当時その代表だった黄洋達氏、陳秀慧氏と会談することになったのだが、あの時点ではまさかそんな事態になるとは思いもしなかった。
 
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(『熱血公民』の機関紙「熱血時報20141114号)
 
その後、同年8月に香港大学を訪問した際に民主派の学生と話し込み、香港・マカオでの民主派活動や台湾での「太陽花(ひまわり)」学生活動などについて意見交換した。
 
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(香港大構内にて、筆者撮影
 
秋に香港の政治関係者各位と会談するため、栗山都議会議員(当時)や憲法臨調のF氏と訪港を決めていたのだが、同じタイミングで同年9月28日に『雨傘革命』が勃発した。
 
翌月訪港した際に面談したのが泛民主派の最大政党「民主黨」と、当時急進民主派だった本土派の「熱血公民」だった。
 
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10月、右から筆者、民主黨・單議員、当時代表の劉議員、一人置いて栗山氏)
 
香港本土派の発生と現状については、昨日のエントリー、更には数年前からの関連エントリーで記したとおり。香港の若年層を中心に発生した「本土意識」は、「香港こそが“祖国である」という認識下に香港ローカルの権利拡大を目指す意識と行動で、彼らにとっては香港の民主化が最優先かつ全てである。
 
既存民主派、特に「香港市民支援愛國民主運動聯合會」(略して「支聯會」)が従来テーマにしてきた「建設民主中国=中国本土の民主化」であるとか、最近の「結束一黨專政=中国の一党独裁体制を終わらせよう!」というのは香港にとって関係のない話・・・勝手にやってくれという話に過ぎない。
 
たしかに、現実問題として「香港の中国化 → “亡港”」という危機が目前に迫っている現在、香港の問題が優先されるべきであって、中国の民主化云々は勝手にやってくれ・・・と香港ローカルが考えるのも無理はない。
 
その本土派の草分けともいえる「熱血公民」はかねてより「香港本土主義」を運動の中心としてきた政治団体で、特に「自分は中国人ではなく香港人」と認識している若い世代の支持を集めている。
 
筆者らが201410月に面談した際の代表は、創設者の黄洋達さん、陳秀慧さんだった。その後2016年9月4日の香港立法會議員選挙(日本の国会議員選挙に相当)で、同党の鄭松泰氏が新界西選挙区から出馬し当選。立法會議員を有する政党として存在感を増している(現在の主席は鄭松泰議員)。
 
黄洋達さんは代表を退いたとはいえ同党の重鎮であり、元々「熱血公民」の活動がインターネットや出版を中心としたものだっただけに、政治情報・討論のネット配信や各種出版で活躍している。
 
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(先週の香港Book Fairでの「熱血公民」コーナー、筆者撮影)
 
迂闊なことに筆者はBook Fairで「熱血公民」が毎年出展していることを知らなかったので、今回思いもよらぬ再会となった。「熱血公民」と香港本土派の皆さんの、益々の活躍を祈念する次第である。
 

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