先日、香港でやくざ組織同士の抗争殺人事件が発生した。ところが両組織は共に老舗のやくざ「新義安」系、つまり同門の内訌である。
(香港)蘋果日報1月7日配信記事↓
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將軍澳「少君」VS觀塘「阿刁」
新義安廝殺爭地盤
【本報訊】近日黑幫連場腥風血雨,背後原來是新義安同門廝殺。據本報了解,事件兩名核心主角是將軍澳派系頭目「少君」及觀塘派系頭目「阿刁」,兩人三年前在將軍澳爭位,阿刁失利敗走,至去年重返將軍澳,與少君人馬發生衝突,阿刁更向尖沙嘴派系「細B」借兵,聯手對付少君,引起連場江湖風暴。(以下略)
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以前より書いているように、香港、マカオを含む広東一帯に根を張る黒勢力(ヤクザ)は、元々「三合会」の流れを汲む組織である。「三合会」は元々清代の反政府組織、つまり漢民族の反清活動を旨とする秘密結社「洪門」の流れを汲み、白蓮教や太平天国なども関わっていたと云われ、現代の香港ヤクザたちもその伝統を根拠としている。
「三合会」は辛亥革命から共産中国成立に至るシナ近代史に密接な関わりがある。例えば、孫文の父である孫達成は三合会の幹部であり、孫文自身もメンバーであった。また中国国民党の前身である「興中会」は「三合会」の一派「青幇」と政治的に連携していた。「青幇」の流れは現在でも華人社会に隠然たる影響力を持っている。
同様に中国共産党も黑社會に渡りをつけて勢力を拡大し、折々に黑社會を使っている。それを裏付けているのが中華人民共和国公安部部長だった陶駟駒の発言。彼が香港訪問時に記者会見で驚愕の発言をして、香港社会を震撼させた。
「黑社會不是鐵板一塊,當中有些人也是愛國愛港的」
(暴力団は一枚板ではなく、その中には国を愛し香港を愛している者もいる)
(ご参考)人民報2001年1月2日記事↓
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中共前公安部長語出驚人:「黑社會也有愛國的」
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現在の香港に生息する大手ヤクザ「新義安」「和勝和」等は「洪門」~「三合会」の流れを汲むとされており、日本やくざの“任侠道”と似たような原理原則の下で活動している…という事になっている。
しかし今般の事件に見られるように、同系統の組織同士による仁義もへったくれも無い抗争が発生しており、現在大陸で増殖している“何でもあり”の黒勢力とその活動内容は大差ない。
そして彼ら黒勢力が政治と結びつくと、ロクなことをしていない。それは5年前の香港雨傘運動の時、やくざが香港警察と結託して民主派学生らに暴行を加えた事実からも明らかである。
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