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横浜市長が4枚舌か、IRカジノ

 

横浜市のIR(カジノを含む統合型リゾート施設)誘致に対する林文子市長の態度が二転三転している。

 

神奈川新聞10月28日配信記事↓

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住民投票反対多数ならIR誘致撤回 横浜市長が表明

(https://www.kanaloco.jp/news/government/article-283925.html )

横浜市が進めるカジノを含む統合型リゾート施設(IR)誘致を巡り、林文子市長は28日の定例会見で、誘致方針に変わりはないとしつつ、仮に住民投票が行われて反対多数だった場合は、誘致を撤回するとの見解を示した。前回の会見で「投票の結果を尊重する」と述べていたが、さらに踏み込んだ形。市内では現在、誘致の是非を問う住民投票の実施を目指す署名活動が展開されており、市民や市会に再び波紋を広げそうだ。(以下略)

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元々推進派だった林市長がIR誘致に関する発言をトーンダウンしたのが、3年前(2017年)の1月。その原因は同年8月の横浜市長選のためだったことは明らかだった。

 

(ご参考)2017年 2月 2日エントリー

< IR:横浜市長が二枚舌! >

(https://tafu1008.hatenablog.com/entry/15468159 )

 

当選後しばらくして林市長は再び推進派に“復帰”し、昨年までにIR誘致・建設候補地である山下埠頭の再開発に数百億の予算計上。またIR提案者(企業)の選定に向けた準備を進めていた。主な有力提案予定者は、

 

  • LVSインターナショナルジャパン

世界大手、米国ラスベガス・サンズ社の日本法人。

 

  • メルコリゾーツ&エンターテインメントジャパン

マカオのカジノ王だった故・何鴻燊(スタンレー・ホー)氏の息子であるローレンス・ホー会長率いるメルコ社の日本法人。

 

  • ギャラクシーエンターテインメントジャパン

香港の銀河娯楽股份有限公司(ギャラクシーグループ)の日本法人。

 

マレーシアのIR企業集団・ゲンティングループのシンガポール法人。

 

ところが今年年初からの中共コロナウイルス騒動で横浜市だけでなく国全体のIR推進計画が大幅に狂ってきたのは皆様ご存じの通り。しかも5月にはサンズ社が日本から撤退すると公表し、暗雲が漂う展開になっていた。

 

そんな中、6月にIR反対派の急先鋒だった“横浜港湾界のドン”藤木幸夫氏が 港運協を退任した。

 

重しが無くなった格好で、横浜市はIR交通基本計画の委託を決定、8月には横浜市商工会議所の川本副会頭が「ⅠR初期投資見直しは約8000億円の可能性」と言及し、神奈川県の黒岩知事も「横浜市のIR誘致支援に関する県のギャンブル依存症基本計画策定は不変」と援護射撃。

 

しかも9月には神奈川2区(横浜市西区・南区・港南区)を選挙区とするIR推進派の菅義偉氏が首相となり、勢いを得た横浜市はIR等を見据えた観光・MICE戦略の策定に向けた調査等業務を野村総研に委託した。

 

そして今月に入っては、昨年10月から進めていた民間企業からIRのコンセプトを募集するRFC(Request for Concept)の概略を発表。

 

・事業名称:「(仮称)横浜・山下ふ頭における特定複合観光施設設置運営事業」

・IR予定区域:横浜市中区山下町277-1ほか、約47ha

 

IR提案者(企業)は上記のメルコ社、ギャラクシー社、ゲンティン社に加えて米ウイン・リゾーツ社、セガサミーHDなど。

 

IR推進がここまで進展した中での、冒頭書いた「住民投票反対多数ならIR誘致撤回」発言である。

 

林市長としては「バランスをとっている」つもりでの見解表明かも知れないが、同じ口で

「IRは国で決まったこと。住民投票をやらなければならないという決まりはない」「IRをやるという方向性に変わりはない」

とも言っている。つまり市民相手の政治的駆け引きなのである。

 

市長の一連の言動の変化は上記の通り。これを「4枚舌」と言わずして何と表現すればいいのだろうか?

 

ふらふらと腰が定まっていないのは、要するに「政治家としての覚悟不足」に起因している。横浜市のような巨大政令市の首長は行政官であると同時に「政治家」である・・・という認識が必要だ。しっかりして頂きたいものである。

 

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