「中秋の名月」が過ぎ、秋の気配が漂う季節となった(まあ9月なので当たり前だが)。かねてよりこの時期に閲覧されている当ブログの過去エントリーがある。
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(2014年9月9日エントリー)
< 今月の句「おごるなよ 月のまるさも ただ一夜」 >
(https://tafu1008.hatenablog.com/entry/13281611 )
独特なユルいタッチの禅画や書で有名な江戸時代の名僧・仙崖義梵(博多・聖福寺住職)が詠んだ一句である。
(禅画「○△□」 ※出光美術館蔵)
満月に仮託した戒めの句で、初秋の風情が良く表されている。
しかし今の時期の季節感を味わうならば、もうひとつお薦めの歌がある。それが、
「月に啼き候
あの野に鹿が只一声」
これは室町時代に成立したとみられる『宗安小歌集』の中の作品のひとつ。
和歌や連歌と並んで室町時代~戦国期には、自由な詩型の小歌が流行した。おそらくは独特の節回しで歌われたのだろうが、現代に伝わっていないのが残念である。
しかしこの歌は、時代は変われど「もののあわれ」に代表される日本人の琴線に触れる佳作ではないだろうか。秋の歌として味わいたい一首である。
(※)『新潮日本古典集成 閑吟集 宗安小歌集』(1982・新潮社)
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