昨年来飛躍的発展を遂げている「ChatGPT」をはじめとした生成系AIの基盤技術に対する警戒論が発生し、EUや米国が規制方向へ舵を切ったのは皆様ご承知の通り。
また我が国でも東京大学が学生や教職員に対して注意喚起の見解を公開した。
※東京大学の声明(4月3日)
↓
<生成系AI(ChatGPT, BingAI, Bard, Midjourney, Stable Diffusion等)について>
(https://utelecon.adm.u-tokyo.ac.jp/docs/20230403-generative-ai )
この中で映画『ターミネーター』のスカイネットや、『マトリックス』のようにAIに人間が支配される世界が現出する可能性を念頭に、「人類はこの数ヶ月でもうすでにルビコン川を渡ってしまったのかもしれない」という表現を使って生成系AIの悪用の懸念を問題提起している。
そして先日(4月25日)、筆者も加盟している(一社)人工知能学会が大規模生成モデル(生成系AIの基盤技術)についての見解を表明した。
一般社団法人 人工知能学会HPより
↓
人工知能学会 倫理委員会
< 人工知能学会としての大規模生成モデルに対してのメッセージ >
(詳細)
「ChatGPT」(特にGPT3、先月発表のGPT4)が凄いと評されることが多いが、筆者の見るところ所詮は過渡期モデルの域を出ておらずAIそのものよりも使う側(すなわち人間側)の方に問題がある。
初歩的な間違いとしては検索ソフト同様に考えているとか、問いかければ必ず正しい回答が返ってくるとかの類い。更には使用者が知らない情報をAIから引き出すという使用法も間違いで、「判らない」とか回答不能ならまだしもかなりの確率で誤答(あるいは嘘)を平然と返してくる。従って生成系AIの長所をよく理解した上で、人間側による十分なチェックが必要となる。
また見解声明にあるように一概に危険なものと見做して禁止するのではなく、AIのポジティブな面を正当に評価してどう活用してゆくかを議論してゆくのが本筋であることは論を俟たない。
幸い我が国政府は生成系AIの本格的取り入れと育成を国策として取り組むべく動いている。かつてファイル共有ソフト「Winny」が害ばかりクローズアップされて徹底的に(特に京都府警の執拗な嫌疑で)潰された教訓を生かして、オープンな議論を進めるべきと考える。
ちなみに生成系AIの悪用方法およびそれを利用した一種の社会的テロ、敵対勢力への軍事面での応用などはかねてより筆者も考えており(無論、考えているだけです)、それらに対するカウンター手法も当然腹案はあるが、流石にネット上で曝け出すわけにはいかない。
従って出来れば制度の整備、法的整備の検討と並行してそれらを整理してゆくべきであろう。
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