賭狂がゆく

港澳(香港、マカオ)往来28年、人生如賭博

マイナー感拭えぬ「無電柱化の日」

 
きょう10日は「無電柱化の日」である。しかしTVなどで“今日のネタ”的に取り上げられる割には、いまひとつマイナーな「 ~ の日」である感が拭えない。小池都知事東京オリンピック前の都内無電柱化推進を表明し、昨年には「無電柱化の推進に関する法律」が制定されたにも関わらず…である。
 
何故1110日かと云うと、前記の無電柱化推進法第10条に「国民の間に広く無電柱化の重要性についての理解と関心を深めるようにするため1110日、無電柱化の日を設ける」と明記されているため。
 
1110日を数字で並べると「1110」、三つの「1」が電柱を表し、残りの「0」で「ゼロにする」という意味の由。こじつけのようだが、本当だという。
 
ところで、そもそも「無電柱化」とは何か?
 
国交省関東地方整備局HPに、その定義がまとめられている。
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1)「無電柱化」とは?
無電柱化は、道路の地下空間を活用して、電力線や通信線などをまとめて収容する電線共同溝などの整備による電線類地中化や、表通りから見えないように配線する裏配線などにより道路から電柱をなくすことです。
 
2)「無電柱化」の効果
無電柱化の整備により、以下の効果(メリット)が発生します。
1 防災に寄与
2 安全で快適な歩行者空間の確保
3 景観の向上
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こうしてみるとメリットばかりで、推進するのに何の問題も無いように思える。ところが無電柱化=電線地中化には、意外なデメリットも存在するのである。
 
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a.電線地中化→地中埋設のコストが高い
 電柱を用いた電線類の配線に比べて、地中の埋設配線は約20倍のコストがかかる由。既設のガス管、水道管などとの兼ね合いもあり、1kmにつき現状約2千万円が約4億~5億円に跳ね上がる。
 
b.埋設後もコストが発生する
 地下インフラは共同溝内に配置されている。電線も例外ではなく、“管路使用料”が発生する。おそらくこれは通信費の値上げという形で契約使用者に転嫁されるだろう。
 
C地震災害等によるトラブルからの復旧、メンテナンスに手間が掛かる
 災害時のライフライン復旧に際して、「目視点検できない」ために意外な手間が掛かるのは避けられない。また電線の老朽化に対するメンテナンスも同様である。
 
d.監視カメラを設置できない
 昨今、監視カメラは犯罪防止や事件解決になくてはならないものとなっている。ところがカメラ設置に適している電柱が無くなると、新たに設置用の柱を設ける必要が生じる。
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しかし個人としての見解は、上記デメリットがあるとしてもやはり景観、道路通行の利便性、将来の空中利用などの点から、無電柱化は必要であると思う。従って上記デメリットも広く国民に開示し、必要となるコスト高の試算並びに国民負担額を明示してゆく事が必要ではないだろうか。
 
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