これは「黄金の国・ジパング」を代表する銘柄であり、かねてより筆者が提唱している“愛国的投資”のシンボル的存在である。
なにしろ日本で唯一の産金株であり、世界の非鉄メジャーに対抗し得る唯一の会社と云える同社は、推定埋蔵量356トン、世界的にも高品位の金を産出する菱刈金山(鹿児島県)を擁している。
そして昨今の同社の最大テーマは、リチウムイオン電池関連。EV普及で需要拡大を睨んだニッケル市況上昇に乗っている。更に追い打ちをかけているのが、高値圏にある銅価格。最近ではこれらのテーマで金相場との連動性が薄れつつあるのが、逆に投資妙味でもある。
時価総額は1兆4,366億円、会社が保有する金鉱山などの含み資産は10兆円を越える大型企業ながら、PER(株価収益率)は連結ベースで 21.63倍、1株利益(連結) 228.43円、配当利回り1.42%。急騰したとはいえ、現段階でもまだまだ割高ではない銘柄と云えるだろう。
住友家による伊予・別子銅山(愛媛県新居浜市)の開坑は元禄四年(1691年)。幕府は上記の理由で鉱山開発を奨励したため、別子銅山は元禄十一年(1698年)には年間産銅量1,521トンという当時世界一の産出量を記録し、国内産銅量の四分の一を占めていた。
別子銅山から産出される銅は文字通り江戸期の日本経済を支えてきたと言っても過言ではない。従って別子を発祥とする住友金属鉱山は、日本経済の精神的シンボルのひとつでもあるのだ。同社にこだわるのは、一つにはこのように歴史的な意味からであり、また筆者自身が住友人の端くれでもあるため、発祥の地・新居浜市別子と同社に強い郷愁を持っているからである。
現在の同社株主に占める外国法人比率は32.73%だが、別子の現株価はまだまだ外資が買収を手掛けられる価格である。日本を代表する資源株である同社が仮に買収対象になってしまうとしたら、これは国辱ものである。経営陣が頑張るのは勿論だが、心ある投資家の応援も必要であろう。
ちなみにこの住友金属鉱山、かつて「最後の相場師」といわれた是川銀蔵氏も手掛けて大勝利を収めた銘柄でもある。あまり書くと所謂「買い煽り」で、証券取引等監視委員会に通報されても困るから止めておくが(いやな世の中になったものです)、この銘柄には賭人としてのロマンも感じるのでご紹介する次第である。
「人のゆく 表に道あり 別子山」
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