賭狂がゆく

港澳(香港、マカオ)往来28年、人生如賭博

「香港民族 命運自決」に中国狼狽

 
 
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香港大學學生會刊物《學苑》20142月号
 
中共はかねてより、
 
「香港民主派が“香港独立”を企てる勢力に操られており、その背後で糸を引いているのが台湾独立派だ」
 
と決めつけてきた。
 
そして今年に入ってからは、2月以降のウクライナ・クリミア情勢に触発されたのか、
 
「クリミアの住民投票によるロシアへの併合と同じように、台湾独立派が台湾の実権を握れば、住民投票による台湾独立の後に次なる住民投票で、日本に併合される道を選ぶであろう」
 
という無茶苦茶に飛躍した論説を繰り出してきた。
 
中共が香港での2017年における公正な普通選挙実施の公約を反故にした一因には、自らが編み出した妄想的な論説が実現してしまうのではないかという、“怯え”に近い意識が存在していることが挙げられよう。
 
たしかに中共にとって「チベット」、「東トルキスタン新疆ウイグル自治区)」、「南モンゴル内蒙古自治区)」の叛乱と独立は脅威であり、さらに本来は台湾併合のための国際的詐術「一国二制度」の実験場である香港で“自立、独立”の動きが顕在化してしまったら、台湾どころか上記3地域の反中共民族勢力が勢いを増すであろうことは自明である。
 
従って中共とその下請けに成り下がった香港政府は、「港獨」つまり香港独立の動きに対して、極度に神経質になっている。先日の『人民日報』はとうとう香港大学学生自治会の機関誌に載せられた論文にまで、チェックを入れてきたのである。
 
香港・蘋果日報101908:32配信記事↓
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【雨傘革命】《人民日報》:佔中背後藏港獨陰謀
《人民日報》發表評論員文章,指學聯在政府總部外主台背景板打出「命運自主」口號,反映佔中組織者和幕後操控者真正目的是香港獨立,並非選舉,亦非民主和「高度自治」,是香港「自主」、「自決」,甚至香港「獨立」。
文章指,眾所周知,香港的「高度自治」並非「完全自治」。所謂「命運自主」是要排除中央對香港的主權和治權,將香港當作一個政治實體。文章指「港獨」的鬼影在佔中裏頻頻浮現,一些「港獨」標語,如「Hong Kong is my country」等,在違法佔領區屢見不鮮。香港大學學生會刊物《學苑》再次提出「香港民族論」,學聯網站掛上「二零一四香港獨立」的照片,且聲言要「700萬港人公決我們的前程」,這些論調並非偶然。
文章又指,大部份普通學生和市民對佔中組織者和幕後操控者,製造變相「港獨」的陰謀,一無所知,並非抱着與中央對抗的目的參與活動,指佔中組織者和幕後操控者抱着不可告人的「港獨」陰謀,打着「民主」、「自主」、「自決」的幌子,把無辜的學生和市民推上爭取「民主自由」。 (以上引用)
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この記事はおそらく、日本だけでなく世界中の人にとっても一体何のことやら理解しにくい内容ではないかと思う。記事中の「香港大學學生會刊物《學苑》」は学生自治会の定期機関誌で非売品なので、書店に出回っていない。直接香港大学に出向くしか入手できないからである。
 
また同じく記事中の「香港民族論」は、同誌2月号に掲載されたもの。正しくは、「香港民族 命運自決」である。しかしこれはPDFファイル化され、ネット上で閲覧できるようになっている。
 
私がこの論文の存在を知ったのは今年3月、香港・台湾の週刊誌「亜州週刊」のベタ記事で取り上げられていたためであった。8月に所用で香港大学へ赴いた際には既に入手できなくなっていたが、同校図書館前の学生会掲示板に張られていたので内容を知ることが出来た。
 
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近年、香港人の大多数が「私は中国人ではない、香港人だ」と主張するようになって来た。しかしそれでも「華人」意識や「中華圏」概念から外れようという思想は、全然発生していなかった。
 
ところがこの「香港民族 命運自決」論は、単に中共からの離脱に止まらず、「華人」「中華圏」という概念に対する訣別の意味をも内蔵している。若干大袈裟に言わせてもらえば、この論は中国人の数千年の精神史を転換しうる破壊力を秘めているのではないかと思える、凄い内容なのである。
 
漢民族の筈の香港人が斯かる論説を繰り広げては、中共が進めている「中華民族大家庭」というまやかし政策が崩壊してしまうのは必定。内容の詳細については別エントリーで述べたい。
 
我支持香港人的民主運動、香港加油
 
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