賭狂がゆく

港澳(香港、マカオ)往来28年、人生如賭博

中共に都合のいい香港泛民主派w

 
前エントリーで所謂“香港民主派”の実態について述べたが、中共が筆者の見解を後押ししているのには失笑を禁じ得ない。
 
時事通信1214日配信記事↓

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男逮捕で日本に懸念伝達=中国
【北京時事】中国外務省の陸慷報道局長は14日の記者会見で、靖国神社で起きたぼやで中国(香港)籍の男が建造物侵入容疑で逮捕された事件をめぐり、「既に日本側に懸念を伝えた。日本がこの件を適切に処理し、関係する人物の合法的権益を確保するよう要請する」と述べた。(以上引用)

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何度も繰り返すが、本件の郭紹傑容疑者(55)は香港の「泛民主派(既存民主派)」政党「工黨」の役員である。
 
その「工黨」は副代表が中共の六四天安門虐殺事件を糾弾する『六四紀念館』(天安門事件記念館)運営の民主派団体の責任者であり、党自身も深く関わっている。
 
その団体、「香港市民支援愛國民主運動聯合會」(略して「支聯會」)は毎年64日に香港島ビクトリア公園で、六四天安門事件の犠牲者追悼と中国政府の責任を追及する一大イベントを開催している。
 
イメージ 1
(今年の集会パンフレット)
 
そして「工黨」や最大民主派政党「民主黨」、「公民黨」、そして尖閣に侵犯した香港人が所属する「社民連」といった「泛民主派(既存民主派)」政党がそのイベントをバックアップし、「追究屠城責任!(中国の虐殺責任を追及する!)」とか「結束一黨專政!(中国の一党独裁体制を終わらせよう!)」と叫んでいる。
 
しかし本件では、これら既存民主派に攻撃されている筈の中共が、容疑者の保護に動いているのである。
 
つまり中共にとっては香港の「泛民主派(既存民主派)」なんぞ香港市民のガス抜きに都合いい存在でしかなく、物の数ではない…ということ。
 
そして現在、中共とその配下の香港政府が本気で弾圧しているのは、当ブログでも度々触れている「本土派」、「自決派」、「港獨派(香港独立派)」の人々である。
 
イメージ 2
※自決派の代表格:「香港眾志」秘書長・黃之鋒氏(右)と副秘書長・周庭氏
 
彼らの基本認識は、「自分は“中国人”ではなく“香港人”である」
 
だから六四天安門事件自体は重大な人権侵害事件であることを理解しているが、泛民主派(既存民主派)の唱える「中国に民主主義を!」とか「中国の一党独裁体制を終わらせよう!」とかは中国の問題であって、香港人にはその責任も義務も無い話である。
 
同様に“尖閣”とか“南京大屠殺”とかも中国の問題であって、香港人には何の関係も無い話に過ぎない。
 
こういった意識の人々がインターネットの発達と相まって増加した結果、上記「支聯會」と「泛民主派」政党が開催する六四イベントや各種デモへの参加者が年々減少している。
 
しかし中共にとっては、「一帯一路」の起点である香港に於いて「中国」とか「中華」の軛(くびき)に縛られない人々が増えるのは困る。だから泛民主派以外の人々を分離独立派だ何だと難癖付けて弾圧するのである。
 
但し本土派、自決派、港獨派も
「建制派(親香港政府派=親中派)」対「非建制派」
という大枠での選択しかない場合は、泛民主派の候補にも投票する傾向が強い。
 
惜しむらくは「非建制派」全体を見渡してみて、泛民主派から本土派、自決派、港獨派までを俯瞰し調整できる人材が現状では存在しないことである。
 
香港の「一国二制度」が終わる2047年まで、残り29年を切った。新たな人材が非建制派に出るのが先か、それとも中共習近平によって「一国一制度」とされてしまうのが先か…
 
 
イメージ 3
(自由の無い香港に明日は無い)
 

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