賭狂がゆく

港澳(香港、マカオ)往来28年、人生如賭博

香港大学内「國殤之柱」が撤去危機

 

既に日本メディアも報じているように、香港大学(略称「港大」)構内にある6.4天安門事件モニュメント「國殤之柱」(英語表記:Pillar 0f Shame)が港大当局の圧力による撤去の危機を迎えている。

 

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(2015年筆者撮影、以下同)

 

この「國殤之柱」については2014年 9月 25日エントリーで記したとおり。

香港大学内の天安門事件像「國殤之柱」>

(https://tafu1008.hatenablog.com/entry/13330042 )

 

香港の公立大学である香港大学は今年の「世界大学ランキング2022(※)」によると30位にランクされている。ちなみに首位は6年連続で英オックスフォード大学、上位10校は英米の大学である。上位200校の内、我が国からは東京大学(35位)、京都大学(61位)が入っている。

 

(※) 「世界大学ランキング」は英国の教育専門誌タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)が毎年発表しているもの。教育、研究、被引用論文、国際性、産業収入の五つの分野に関して13個の指標を使い、各大学の得点を算出している。

 

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ご多分に漏れず「学問の自由」を掲げてはいる港大だが、たしか2014年の「雨傘革命」前後の時期から中国本土(近場では広東省内)の提携各大学での単位取得を必修化にするとかで中共の影響力が浸透し始めていた。

 

そして2019年以降の民主派市民弾圧と「国安法」で香港全土は自由民主が失われてしまったのだから、港大のみならず香港中文大学(略称「中大」)など他の大学からも学問の自由や民主的な自治が消え去るのは時間の問題だった。

 

「國殤之柱」が置かれている場所は学生自治会(と学生食堂)のある建物の中庭(黃克競樓平台)なので所有者は自治会かと言うとそうではなく、民主派団体で先月解散に追い込まれた「香港市民支援愛國民主運動聯合會」(略称「支聯會」)が事実上の所有者である。

 

例年6月4日夜に香港島・ビクトリア公園内のサッカー場で開催されていた「六四集會」(六四天安門事件追悼集会)の主催者であり、また中共の意を受けた香港当局により閉鎖された「六四紀念館(天安門事件記念館)」の運営者であった支聯會の残存幹部らは撤去に抵抗しているものの、先行きは暗い。

 

支聯會をはじめとする汎民主派がスローガンとしてきた、

 

「平反六四」 ⇒ 天安門事件の被害者の名誉回復と再評価を

「結束一黨專政」⇒ 中国の一党独裁体制を終わらせよう!

「建設民主中國」⇒ 文字通り、中国の民主化

 

しかし6.4天安門事件を「無かった」ことにしようとする中共にとって都合の悪いこれらスローガンを口にするだけで「国安法」違反、国家反逆罪として逮捕拘束されるのが現在の香港。この「國殤之柱」も破壊処分に付されるのは目に見えている。

 

像そのものを台湾や米国、日本に移転するとか、もしくはバーチャル化してネット空間に常時存在させるようにするとか出来ないものだろうか…。

 

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