賭狂がゆく

港澳(香港、マカオ)往来28年、人生如賭博

「月が綺麗ね」変則バージョン

 
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                                           (月がきれい

最近、晴れの夜の月が妙にハッキリと見える。そういえば陳さんのところで、
「月が綺麗ね」
という言葉に因んだ懐旧談が出ていた。
 
かつて夏目漱石が英語教師として教鞭をとっていた時分、生徒が「I love youの和訳を「我れ君を愛す」と答えたのに対して、漱石
「日本人はそんなことを言わない。 月が綺麗ですね、とでもしておきなさい」
と言ったとされる故事から、遠回しな告白の言葉として使われるようになったと云う。
 
残念ながら筆者は学生時代にそんな体験をしたことが無いので、お月さんに対して特別な感慨がある訳でもない。むしろ「月が綺麗」と聞いてすぐに思い出すのは、20数年前に見たヤクザの恫喝。
 
ヤクザが発する恫喝の台詞としてよく引き合いに出されるのが、
「月夜の晩ばかりじゃねえぞ」
 
今日日、一般人に対してこんな露骨なセリフを吐いたならば、即警察にタレこまれてしまうだろう。しかし偶然、新宿の某喫茶店内で聞いたヤクザの台詞は一味違っていた。
 
斜め向かいの席に、どう見ても極道風のオッサン二人(手首から刺青が露出)が向き合って、険悪なムードで何事かを話している。どうやら不動産か何かの抵当関係で条件を巡って揉めていたらしい。
 
しばらくしてヤクザAが
「綺麗なお月さんを拝みたきゃ、これが(この条件?を呑むのが)一番だろ?」
 
おおっ、「月夜の晩ばかりじゃねえぞ」の変則バージョンか!
 
ところが対峙するヤクザBの切り返しもすごかった。
いつも月夜に米の飯って知らねぇのか?」
 
二人とも口調は静かだったが、互いに相手を見据えて一歩も引かぬ構え。周りの堅気の客もびびっていた。
 
この一件のせいか筆者には、「月が綺麗ね」→ヤクザ…という風情もへったくれもない連想思考パターンが定着してしまった。今は昔、バブル時代の苦く笑えるエピソードである。
 
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