賭狂がゆく

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やくざ不起訴~報復に屈したか?

 
※12/19エントリーの続き
<やくざ不起訴~意外な犯罪不起訴率>
 
去る17日に名古屋の山口組系指定暴力団弘道会の幹部らが不起訴になった件。
 
時事通信1217日配信記事↓

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弘道会若頭ら不起訴=恐喝容疑で逮捕-名古屋地検支部

 (https://www.jiji.com/jc/article?k=2018121702224&g=soc)

後援会費などの名目で現金と焼酎を脅し取ったとして、恐喝容疑で愛知県警に逮捕された指定暴力団山口組弘道会の若頭(56)と傘下組幹部(40)について、名古屋地検一宮支部は17日、不起訴処分とした。同支部は「理由は明らかにしない」としている。(以下略)

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19日エントリーでは、名古屋地検が不起訴処分としその理由を明らかにしない訳について「被害者との示談が進んだ」と推測したが、ここではもうひとつの可能性について考えてみたい。
 
2年前だが、福岡地裁小倉支部で行われた裁判員裁判で殺人未遂罪に問われた北九州の特定危険指定暴力団工藤會系組幹部の知人が、審理を終えた複数の裁判員に「(被告を)よろしく」などと声を掛け、裁判員に対する請託(依頼)や威迫(脅迫)”と判断した同支部が判決期日を取り消した事件があった。
 
民間人である裁判員に“判決に対する報復”を匂わせて威圧するなぞ、やくざがよく口にする「任侠道」に悖る行為としか思えないが、当のやくざたちは任侠道を手前に都合よく解釈しているのだろう。
 
北九州の暴力団は警察官とその家族への威迫だけでなく、民間人に対しても平然と威迫・暴力行為を働いている。暴力追放運動推進役の自宅に発砲したり、談合禁止運動の先頭に立っていた建設会社社長(筆者の知人)を自宅前で待ち伏せて発砲したりとやりたい放題。
 
俗に「北九州・福岡県は“修羅の国”」などと云われ、福岡だけの特殊問題と思われがちだが、実は愛知県のやくざ事情も福岡と大して変わりは無い。
 
例えば平成22年の「愛知県警警部脅迫事件」などの一連の事件。今の山口組6代目の出身母体の弘道会に近い筋が、県警捜査員等の個人情報(住所氏名、電話、家族構成など)を不正に入手し、実際に某警部へ「幼い娘がどうなっても知らないよ」等の脅迫を行った事件である。
 
また別件で愛知県警が弘道会の組事務所を捜索した際、警察官個人の趣味・家族構成などが記された資料が発見されている。
 
そして愛知県警は弘道会との癒着ぶりがたびたび問題になっている。前記の捜査では暴力団担当の刑事と弘道会幹部が一緒に酒を飲んでいる写真が発見され、また県警職員による捜査情報の漏洩も一度や二度ではない。
 
5年前には県警の警部が、弘道会の資金源の風俗店グループ経営者の男に捜査情報を流していたことが発覚。その男は別件の公判で、「警察は金で買える」と豪語していたそうである。
 
更には2年前の福岡の金塊強奪事件、複数の愛知県警の警察官が捜査情報を犯人グループに漏洩していた。
 
このように暴力団との癒着で愛知県警が非難されるのも仕方ない話ではあるが、その背後に弘道会による警察官とその家族らへの報復を匂わせる行為があり、県警がその事情を汲んだ上でやくざとのズブズフな関係が築かれていったとしたら…。
 
警察に対してここまでやる弘道会だから、名古屋の検察に対しても同様の行為を行っているとしても、何ら驚くべきことではないだろう。冒頭の件で地検が不起訴処分とし、その理由を明かせないのも、「やくざの報復威迫に屈した」ことが明らかになると困るからではないのか?…と勘ぐりたくもなる。
 
個人情報の漏洩がたびたび発生しているが、警察官の個人情報はヤクザだけでなく更に広い範囲で非合法活動分子、つまり公安が監視する団体や個人の手に渡っている可能性があると考えられている。
 
そして検察や裁判官、更には北九州の件のように民間人の裁判員の個人情報までが、反社会的勢力の団体・個人に掌握されている可能性も排除できない。罰則の強化だけでなく、情報保護の強化が喫緊の課題ではないだろうか。
 

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