賭狂がゆく

港澳(香港、マカオ)往来28年、人生如賭博

賭人・安倍前首相と国政選挙賭博

 

以前書いた内容と重複するが、俗に「喧嘩と博奕はツラを張れ」と言う。博奕のツラを張るとは、サイコロの丁半博奕やルーレットの赤・黒、そしてバカラなどで、どちらか一方が連続して勝つ方に賭けることである。

 

バカラ(Baccarat、百家楽)はヨーロッパで最も歴史のある博奕で、その発祥は西暦1500年頃のイタリア。貴族階級の間に流行した所以からか、よく「王様の賭博」「金持ちの賭博」などと言われる。

 

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(GPI社製のバカラ卓、G2E ASIA 2017にて筆者撮影)

 

ラスベガスやマカオで常に賑わっているのはバカラの卓である。何故バカラが賑わうかといえば、勝負で動く金のケタが他の博打のMAX(上限)よりも、二桁も三桁も違うからである。どこのカジノでもたいてい奥の方にVIPルームがある筈だが、一勝負に数千万円単位のチップを張り付けている金持ちがザラにいる。

 

バカラの勝ち負けは単純である。客は「バンカー(庄)」か「プレーヤー(閒)」のどちらか、もしくは「引き分け=同数(和)」に賭け、ディーラーはカードを客の中で一番多く賭けた者にそれぞれ2枚配る。足した数の下一桁が「9」もしくは「9」に近い方が勝ち。6以下の場合は三枚目を引いたり引かなかったりするが、結局「9」に近い方を勝ちとする。

 

「バンカー」に賭けて勝った客は5%のテラ銭をハウス(カジノ経営)側に差し引かれるので、「バンカー」または「プレーヤー」の勝つ確率は厳密に言えば五分五分ではなく、50.5対49.5に近くなるが、概ね半々と見てよいだろう。

 

人は単純なものほどハマり易いもので、勝率半々の博奕だからこそ大金を投じて熱くなるのかも知れない。

 

「バンカー」もしくは「プレーヤー」のどちらか一方が連続して勝つ、つまり勝負が偏る連続性の発生頻度だが、計算上では

 

・1回勝つ   ⇒ 2回に1回

・2回連続勝つ ⇒ 4回に1回

・3回連続勝つ ⇒ 8回に1回

・4回連続勝つ ⇒ 16回に1回

・5回連続勝つ ⇒ 32回に1回

・6回連続勝つ ⇒ 64回に1回

・7回連続勝つ ⇒ 128回に1回

・8回連続勝つ ⇒ 256回に1回

・9回連続勝つ ⇒ 512回に1回

 

これはあくまでも平均値に過ぎない。カード自体は意思も記憶も持っていないので(当たり前)、「バンカーが3回連続勝ちだから、次はプレーヤー」と考えるのはナンセンスである。

 

しかしながら、バカラの連続勝ち頻度をポーカーの手役が出来る頻度と比べてみると、連続して勝つことが難しいと実感できる。

 

・ワン ペア: バカラでは2回連続勝ち程度

・ツー ペア:   〃  4回連続勝ち

・スリーカード: 〃   5回連続勝ち

・ストレート:  〃   8回連続勝ち

・フラッシュ:  〃   9回連続勝ち

 

こうして見ると、より高位の役であるフルハウスやストレートフラッシュが滅多に来ない事が判る。当然ロイヤルストレートフラッシュが出来る確率は、競馬の万馬券よりも低い稀有なものである。

 

  • 政治関係者の間では、国政選挙で自民党と野党との間の議席数がどちらか一方に大きく偏ると、「振り子の揺り返し」で次は相手方へ振れると云われている。これは経験則から来ているらしいが、選挙で連続して大勝することが如何に難しいかと云う事でもある。

 

ところが2012年に安倍晋三氏が自民党総裁に就任して以来、政権与党(自公)は国政選挙で6連勝した。

 

・2012年末の衆院選:自民・公明連合大勝⇒民主党政権崩壊

・2013参院選:与党勝利

・2015衆院選:与党勝利

・2016参院選:与党勝利

・2017衆院選:与党勝利

・2019参院選:与党勝利

 

つまり与党は6回連続で勝利という、博奕の確率的には難しい目標を達成した訳である。

 

もし単純に自民・公明と旧民主、民進党系の獲得議席数の多寡への賭けで、冒頭の「喧嘩と博奕はツラを張れ」を守って与党側に賭けていれば、かなりの金額がリターンされている筈だ。

 

そして「国政選挙賭博」のプレーヤー与党代表は安倍晋三・前首相である。選挙も博奕もその目的は「勝つ」こと、従って安倍氏は賭人(ギャンブラー)としても大したものである。

 

  • 後継の菅内閣が果たして年内解散総選挙に打って出るか否かが取り沙汰されているが、仮に来年の衆院任期終了まで引っ張ったとしても、現状に於ける野党の体たらくが続くのであれば与党の「7回連続勝ち」はさほど難しいものではあるまい。

 

問題はその次の選挙、おそらくは2022年の参院選となろうが、ここで「8回連続勝ち」が出来るかどうかがポイントとなる。

 

上記のようにバカラの5回連続勝ちはポーカーのスリーカードが出来る確率と同じ。そしてバカラの8回連続勝ちと同様はストレートが出来る確率なので、かなり難しくなる筈だ。

 

現与党が果たして何処まで国政選挙の経験則の逆を行くのか、つまりまた

「与党勝利のツラを張る」

ことが出来るか、これは十分「賭ける」に値するだろう。

 

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