賭狂がゆく

港澳(香港、マカオ)往来28年、人生如賭博

川島和正氏誤解のマカオ現金給付


某サイトのテロップに
「(武漢肺炎対応について)日本とマカオの対応の違いがショック!永住権ある人に1人18万円配布、水道料 固定資産税無料!」
とあったのを見て、「はぁ? 何言ってんだ?」と呆れてしまった。

 

その出所は川島和正氏のメルマガ
        ↓
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マカオと日本の武漢肺炎対応が違いすぎる件
2020/02/15(土) 18:05
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お金儲け2.0著者の川島和正メルマガ
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■■コラム マカオと日本の
武漢肺炎対応が違いすぎる件

マカオは早期に 中国本土人(特別なビザを持つ人は除く)の
入境拒否を発表しました。
(中略)
経済対策もしっかりしていて
マカオ永住権を持つ人に18万円配布して
電気水道代や固定資産税を無料にしました。
(えーっ!あり得ない!日本🇯🇵では😃)
(以下略)
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数年前から当ブログで度々述べているように、マカオ政府は全居住民に12年連続で市民に「派錢」、つまり現金給付を実施している。別に今回の新型コロナウイルス対策でやっている訳ではない。

 

繰り返し記すが、2008年から始まった毎年の現金給付の名目は、富の還元、福利厚生の充実、インフレ対策ということになっている。しかし元々は2007年5月の大型流血メーデーデモ(治安警察が発砲し負傷者多数)で内外から非難を浴びて懲りたマカオ政府中共指導部が、住民懐柔策として繰り出した政策である。

 

2007年5月1日、マカオで約1万人以上が参加したメーデー集会に於いて(当時の人口は約50万人)、参加者が市内を行進中に進路変更を巡って治安警察隊(日本の機動隊に相当)と衝突した。

 

このデモでは事前に香港の急進民主派議員が参加者を煽動していたこともあり、政府批判に対して敏感になっていた治安警察側の威嚇射撃が逆効果となって、一気に緊迫した状況を作り出してしまった。その結果、被弾した負傷者1名を含む負傷者多数、逮捕者10名を出す流血の惨事となった。

 

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※本件については、日本会議のブログ「草莽崛起 PRIDE OF JAPAN」 2007年5月22日エントリーに筆者が寄稿した。
マカオ流血デモ事件が意味するもの」
http://prideofjapan.blog10.fc2.com/blog-entry-859.html )
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これに懲りたマカオ政府は翌2008年のメーデー前、全市民に一人当たり5,000パタカ(約7万円)の金を配り、デモ行進参加者を減らそうという荒業に出たのである。それが年々給付金額を増額し、12年も続いているのだから驚くしかない。

 

この給付金の財源は市民からの税金の還付ではなく、マカオ政府が各カジノ企業から取り立てた潤沢な「カジノ税」である。その税収を住民にバラ撒くのだから、実態は国家権力による住民買収。

 

しかし、前にも述べたようにマカオの人々は金を貰ってなおかつ、政府に対して実力行使に出るという恐るべき「したたかさ」を持っている。2010年のメーデー流血デモ、2014年5月の反政府デモなど、重要な局面では立ち上がっているのだから立派である。

 

 

話を戻すと、購読者数日本一を自称する川島和正氏ともあろう御仁が何を間違えたのか、その理由はよく分からない。

 

そして事実は前回のエントリーで述べたように、去る13日にマカオ政府が発表した、全マカオ居住者に一人当たり3,000マカオパタカ(約4万1000円)分の電子消費券を配って地元経済の援助に充てるという施策、これがマカオ新型コロナウイルス対策である。

 

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