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困難極まる露ウ停戦交渉の行方

 

これは筆者の推測だが、ロシアとウクライナの「停戦協定」に関しては米露間でその骨格がかなり出来上がっていると思う。

 

米露間の最重要課題はあくまでもウクライナ・ロシア間の地域紛争に止め、「WWⅢを起こさない」「戦略核を使用する事態は避ける」という点。

 

米(および欧州)にとってはこのまま長期戦となり、その間にプーチン体制崩壊してしまうと現状では「受け皿」勢力が育っていないので対露交渉が難しくなってしまう。また露を国際社会に復帰させるのも同様に困難となる。

 

また長期戦でウクライナを支援し続けるのも難しい。先日のE・マスク氏による衛星支援引き上げの件は氏の一存ではなく、欧米の意を受けた“観測気球”的なものだろう。更に物理的・金銭的な問題のみならず「ウクライナを増長させたくない」という意向もある。

 

ロシアにとっては西側の経済制裁が効いて来てジリ貧に陥っている現状で、このまま西側のウクライナ支援が続けばヘルソンのみならず「併合」宣言した東部や南部の要衝も奪回されるばかりか、今年2月の侵攻発起点の維持さえ困難になるのは目に見えている。

 

従って米(および欧州)と露による停戦協定の最大のキモは、

「取り敢えず現時点での勢力図のままで“休戦”する」

これは朝鮮戦争のケースの焼き直しとなるだろう。

 

しかしウクライナにとっては到底納得出来るものではなかろう。

 

AFP11月19日配信記事↓

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ウクライナ大統領、ロシアとの停戦案を一蹴「事態悪化させる」

(https://www.afpbb.com/articles/-/3439551?cx_part=latest )

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は18日、ロシアとの「停戦協定」案は事態を悪化させるだけだと一蹴した。(以下略)

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たしかに正義はウクライナ側にあるのだが、残念ながらウクライナがこのまま速やかに2014年時点まで盛り返す=全領土の奪還はかなり難しい。欧米がウクライナを説得するとすれば、軍事支援・経済支援の継続の困難と現時点での軍事力での全領土奪還が困難である点を強調するしかあるまい。

 

またロシアに対しても、「首席エクソシスト」たるプーチンに「聖戦」を諦めさせるよう説得する事と、停戦後も再侵攻しないよう確約させ違反には実効性のある措置をとれるよう用意するという難しい問題が控えている。

 

特にロシアの主張する「聖戦」を完全否定しない限り、その類似型である中共が主張する「台湾は中国の不可分の領土」「台湾問題は中国の内政問題」等々の虚言が罷り通ったままになるだろう。

 

安易な妥協はWWⅢの引き延ばしにしかならないのである。

 

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