内容は読んでいただければ判るので詳しく書かないが、この記事の感想を一言で述べるとすれば、「よくまあ、こんな“脱税奨励”如きの記事を平気で出せるな…」といった処である。
十数年前ならいざ知らず、資産防衛の手段は豊富な現在。いまさら香港に出張って「口座開設」という資産逃避をするまでもなかろう。
こんな記事が出てくる背景には、最近刊行された文春新書の『資産フライト 増税日本から脱出する方法』(山田順:著)とか、週刊ダイヤモンド10/8号特集『日本を見捨てる富裕層』など、一連の煽り書籍が読まれている事が挙げられるだろう。
新潮の記事や文春新書に出てくる、五百万や一千万の現金を持ち出しても日本の税関は無問題とか、「HSBCでは口座を共同名義にもできますが、キャッシュカードと暗証番号さえあれば、死んだ父親名義のものでも香港では死亡を把握できないので、普通に使えます。日本では莫大な相続税を払わねばならないため、違法を承知で資産フライトする人たちがいるのは事実なんです」などという記述は現実ではあるが、「それを言っちゃあ、お終いよ」の世界。
それだからこそ、大王製紙前会長は億単位の金をジャンケット(カジノ仲介業者)の口座に入れた上で、マカオやベガスへ行っていたのである。あからさまな資産逃避行為が横行するならば、国税当局の締め付けは今後厳しくなるものと覚悟した方がいい。
この“現地コーディネーター”とは、おそらく香港金融当局に無登録の業者S氏(日本人)だろう。新潮もこんなのに踊らされて提灯記事を出すとは情けない。
だいたい2011年の今頃になって、多くの日本人が「香港上海銀行に口座開設」などとは、私から見れば笑止の沙汰である。みんな20年遅れている、とだけ言っておこう。
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