賭狂がゆく

港澳(香港、マカオ)往来28年、人生如賭博

残念な日産自動車の無定見

 
1日のエントリーで日産自動車が新型スカイラインに、本来自社製造の車に付けている「日産」のロゴ・バッチを捨てて、「インフィニティ」バッチを付けたという話を書いたが、昨日香港国際機場(空港)の待合で見たGT-R NISMO仕様の大型電光掲示板広告には、ご存知「NISSAN」のロゴがしっかりと。
 
イメージ 2
 
イメージ 3
 
 
もっともGT-Rは既に「スカイライン」の名称が外されたから別なのかもしれないが、海外の広告に「NISSAN」ロゴを付けているところを見ると、まだ日産ブランドが有力な武器になると認識しているのだろう。
 
だとすると、新型スカイラインに「インフィニティ」ロゴを付ける意味がボケてくる。1日のエントリーで述べたように中国ユーザーの感情を忖度して決めただけなのか、それとも近い将来、「スカイライン」という名称そのものを捨ててしまうつもりなのか。
 
しかしながら「スカイライン」には根強い日本のファンが多数存在する。そして日産に限らず全てのメーカーにとって、こういったファン層の存在は貴重な財産の筈である。
 
たしかゴーン氏が日産の社長に就任直後のインタビューの中で、スカイラインフェアレディZのファン層は企業にとって財産だという趣旨の話と、更に北米を中心に長年認知されて来た「ダットサン」ロゴを捨てていいのかと述べていたのを記憶している。
 
そのゴーン氏の認識に変更が無いのであれば、新型スカイラインに「インフィニティ」ロゴを付けるという自信のない(もしくは中国人ユーザーに阿った)行為と、GT-Rにはしっかり「NISSAN」ロゴを前面に出すという方針との間には、日産首脳陣の無定見ぶりが窺えてしまうのである。
 
日産がグローバル化で日本を捨てるか否かという話の以前に問われるのは、企業として長年培ってきたブランドイメージを大事にするのかどうか、自社にとって有難い筈のファン層を大事にするのかどうか、そして「クール・ジャパン」ブームで使えるはずの「日本」ブランド、その一環としての「日産」ブランドを商売の有力な武器として活用してゆくのかどうか、といった点ではないだろうか。
 
ロゴの使い方ひとつで、その企業は経営姿勢や経営戦略の足元を見られてしまうのである。今の日産の姿勢からは、今後の投資対象とするには心許ない雰囲気が漂っている。長年の一ファンとして残念でならない。
 
… … … … … … … … … … … … … … … … … …
ブログランキングに登録しています。
応援いただければ、下記アドレスをクイックお願い致します。
         ↓
… … … … … … … … … … … … … … … … … …