賭狂がゆく

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ウクライナで活躍「ジャベリン」

 

昨年来のロシアのウクライナ侵攻に於いてウクライナ側が対AFV(戦車を含む装甲戦闘車両)の切り札として使用し大戦果を挙げているATM(対戦車ミサイル)が、皆様すでにご存じの携行式ミサイル「ジャベリン(Javelin)」である。

 

(ジャベリンの製品カタログ、筆者所有)

 

このジャベリンは1996年にJAVELIN社によって開発され、現在の製造元はロッキード・マーティン社とRTX社(航空宇宙・防衛大手のレイセオン・テクノロジーズ社)。

 

上記の製品カタログは10年前にレイセオン社本社の営業担当氏から頂いたもの。この時はまさか12年後にウクライナで大活躍するだろうとは夢にも思わなかった。

 

個人携行式といっても発射指揮装置と発射筒体、そしてミサイル本体すべてで総重量約22kgと結構な重さではあるが、通常は射手と弾薬手の2名または観測手を加えた3名が1ユニットとなって運用されるので、さほど大きな負担とはなっていない由。

 

筆者がジャベリンの実物を見たのは2009年8月、台北での軍事産業見本市会場に出展していたレイセオン社展示ブース内であった。

 

(上から2番目、筆者撮影)

 

たしか台湾陸軍(中華民国陸軍)がジャベリンを採用決定し運用を始めたのが2003~4年と当時聞いたので、もう20年近くになる。先日参観し当ブログでもアップした『 TADTE 2023 』=「2023台北國際航太暨國防工業展」ではジャベリンの展示が無かったものの、現在も台湾陸軍の主力ATMであることは変わりない。

 

但し価格は発射指揮装置と発射筒体の一組が約60万ドル、ミサイル本体が17万5千ドルと高価なので、ウクライナでの戦訓に鑑み費用対効果を考えると標的は戦車が一番良い。他のAFVに対しては安価な自爆ドローンが主流になるだろう。

 

また既存の旧型個人携行式対戦車ロケットもコスト的には十分活用できそうだが、射程とチームの生残性が問題となる。

 

比較的長射程のジャベリンですら百発百中という訳ではなく、ウクライナでも敵ロシア歩兵やAFVに捕捉され殲滅されたジャベリンチームが結構あったそうなので、旧型ATMの運用も一考を要するのではないだろうか。

 

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