既に当ブログで何度も取り上げている、性変更「父」と第三者の精子を使って生まれた子供とを「親子」とする最高裁決定。それを受けて法務省は、生殖能力が無くとも法的には親子関係とし、「嫡出子」として戸籍に記載するよう全国の市町村に通達を出した。
読売新聞1月27日12時10分配信記事↓
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性変更「夫」の子も嫡出子、訂正対象は45件
法務省は27日午前、性同一性障害で女性から性別変更した男性が、第三者の精子を使った人工授精で妻との間に子どもをもうけた場合、原則、法律上の夫婦の子(嫡出子)として戸籍に記載するよう、全国の法務局を通じ市町村に通達した。
生物学的なつながりがなくても、法的な親子関係が認められることになる。訂正の対象になるのは全国で45件。
性同一性障害は、身体的な性と意識上の性が一致しない状態。2004年施行の性同一性障害特例法により、性別適合手術を受ければ、戸籍上の性の変更や、婚姻・養子縁組も可能になった。12年度末までに3903人が性別変更している。(以上引用)
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しかも法務省は通達の中で、従来戸籍を訂正した場合「戸籍訂正」の記録が残るのに、当該ケースについては申し出があれば「戸籍訂正記録」を消すことと、既に戸籍に「養子縁組」と記載されている場合はそれも消すことを認めるよう明記している。
これは明らかに、「戸籍制度」の形骸化を狙った一手である。
そもそも本件を申し立てた性変更「夫」と最高裁決定、そして法務省に共通しているのは、伝統的常識・既存常識の埒外にいる特殊な大人の側の「権利」増長しか眼中になく、性変更夫婦の「子」の人権に配慮する姿勢も発想も皆無であるという事。
つまり子供が成長して「父」親と自身の出生に関する真実を知った場合の、子の心の問題を全く無視している。「父」が元は女だった…という点で受ける衝撃と、次に子が疑問に思うであろう「自分の肉体的父親は誰なのか」という件に対して、どうするかという視点が欠落している。
これは「子の福祉」を無視した、まさに大人のエゴの最たるものではないだろうか?
「子どもには、真実を知る必要が無いし、その権利も無い」
と決めてかかっているとしか思えない。仮に子供が真実を知ったか、もしくは教えられたとしても、大人の都合のいいように子供を納得させるよう仕向けるだろう。
まさにエゴイストと公権力による「子どもの人権」蹂躙である。
「妻が婚姻中に妊娠すれば夫の子と推定する」
この疑問を解決しなければ、性変更「夫」は「父」として扱われるが、性変更「妻」は「母」とならない。つまり「夫」はいいが「妻」は駄目ということで、性同一障害者に対する差別偏見の解消も「性」によって異なるという事になる。これは男女共同参画の精神に反するではないか。
それとも追加条項で、
「婚姻中に夫が第三者を妊娠させれば、妻の子と推定する」
とでも一筆入れるのだろうか? 試しに改正法案を提出してもらいたい。
もっと注意しなければならないのは、性変更夫婦の元々女性の「妻」に精子を提供する人の戸籍等を明記しておかなければ、性変更夫婦の「子」と精子提供者の「子」とがカップルになる、つまり兄弟姉妹相姦が現出する可能性である。あるいは成人した「子」と精子提供者との年の差カップル= 親子相姦というのも有り得る。
そして「夫」と「妻」の双方が性変更した夫婦で、両者とも元々の生殖機能を保持していた場合も考えられる。その場合はどうなるかと云うと、
朝日新聞デジタル1月21日19時28分配信記事↓
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性別変更の夫婦に赤ちゃん アルゼンチン、「夫」が出産
南米アルゼンチンで昨年12月、いずれも性別変更した夫婦の間に女児が生まれ、注目を集めている。女性から男性に性別を変えたが、生殖機能は残していた「夫」が、帝王切開で無事に出産。「妻」の夢をかなえたと喜んでいるという。
この話題を20日報じたブラジルの主要紙フォーリャ・デ・サンパウロなどによると、出産したアレクシス・タボルダさん(27)は女性として生まれ、配偶者のカレン・ブルセラリオさん(28)は男性として生まれた。だが、いずれも幼少期から自らの性に違和感を感じ、ホルモン治療などで容姿を変え、国に登録する性別も変更。昨年11月に結婚していた。ただ、それぞれの性器は残していたという。(以上引用)
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