国家国民にとっての重要事項を国民が判断し、意思表示するのが「国民投票」。その投票参加年齢を「20歳以上」から「18歳以上」へと引き下げるという事は、つまり「18歳」から重要な政治判断が可能という事を意味している。
その国民投票法の年齢引き下げに伴って民法の成人年齢も引き下げるそうであるから、当然、少年法(昭和24年施行)第2条1項の規定、つまり「20歳未満」の者を「少年」とする規定も「18歳未満」へと改正しなければおかしい事になる。
時事通信4月17日12時20分配信記事↓
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衆院憲法審査会は17日午前、国民投票法が定める投票年齢を4年後に「20歳以上」から「18歳以上」に引き下げる改正案の質疑を行った。自民党の船田元氏は、同法改正に伴い検討される民法の成人年齢の引き下げについて「4年間で実現できるよう各党間で最大限努力したい」と述べた。自民党の平沢勝栄氏への答弁。
民主党の枝野幸男氏は、今後の検討課題とされた国民投票での公務員の運動制限の在り方について「国民投票運動は原則自由だ。本当に必要最小限か相当慎重な検討が必要だ」と制限強化に否定的な考えを示した。同党の武正公一氏に答えた。
(以上引用)
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「重要な政治判断は出来ますが、中身は子供なんです」
などという戯れ言は通用しない筈だ。
もっとも、「大人」の定義を「18歳以上」へと変更する事で別の問題も生じる。
例えば喫煙、飲酒の年齢制限。
「重要な政治判断は出来るが、脳味噌は発達途中で生活習慣も乱れがち」
こんなのが国政の判断権を得ていいのだろうか? 相も変わらず成人式で暴れる莫迦者が続出しているのを見ると、とてもそう思えないのだが。
「なまじ選挙に行かない大人よりも、今の青少年の方が余程政治に関心がある」と説く人もいる。確かにそうかも知れない。
それならいっそ、義務教育が終わる16歳から選挙権を付与して「大人」として扱えばいいのでは? そして「選挙権付与」の条件を年齢から「投票回数」へと変える。例えば3回投票行動を行わなければ、5年間選挙権を剥奪するとかへ。
●この「国民投票法の年齢引き下げ」が4年後以降ということは、今国会に上程されている「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案」、つまりIR法案の成立に伴い開業している筈の「カジノ」施設への入場制限にも関わってくる。
現在、ラスベガスやマカオ、そしてシンガポールでは、当該国の「成人年齢」を定義した諸法令とは別に、カジノに入場可能な年齢を国籍に関係なく「21歳以上」としている。つまり21歳未満の者の入場は禁止されていて、それは各国のカジノ関連法令に明記されている。
もっともラスベガスやマカオでは、通常の場合、パスポート及び身分証明書等の提示による年齢確認は為されていないのが現状。ただ明らかに子供と判る場合や見た目が幼い人の場合はセキュリティー要員がブロックしていて、これはかなり厳重である。
それにカジノ内の両替所で高額の外貨(例えば日本円なら数十万円以上)を米ドルや香港ドルに両替する際、パスポートの提示が不可欠なので、そこで年齢が判ってしまう。
さらにシンガポールでは、外国観光客であろうと自国民であろうと、パスポートまたは身分証明書等の提示が絶対に必要となる。特に自国民と永住権保持者に対しては、1回の入場毎に 100シンガポールドル(約8,000円)、または年間2000ドル(約16万円)の入場料を課している。しかも一回のカジノ滞在時間は24時間以内と決められている。
おそらく日本のIR(統合型リゾート)におけるカジノは、運営形態とスタイルが「ラスベガス型」で「民設民営」となるだろう。しかしカジノ関係法令の整備に当たっては、賭博依存症や風紀の面で“自国民の保護”と云う観点から、シンガポールと同様の法制定、法運用になるものと思われる。
常識的な線では「21歳以上」であろうが、日本の場合は「東京オリンピック」と「訪日観光客2,000万人突破」という至上命題が控えている。さらにオリンピック後のレジャー産業の落ち込みを防ぐためにも、若年齢層の取り込みは不可欠・・・という意見が、立法化にあたって大勢を占めるようになるであろう。
その際、「重要な政治判断が出来るのだから、賭博に対する自律心もある筈だ」などという理屈が罷り通るようになるのは目に見えている。
今の段階でカジノ関係法令に対する厳しいチェックを入れておかないと、おそらく日本的曖昧さ(とりあえず「カジノ解禁が先決」とか)の中での大甘な法令、法運用形態が出来上がってしまうであろう。
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