賭狂がゆく

港澳(香港、マカオ)往来28年、人生如賭博

中共、香港自派議員も攻撃・・・ゲテモノの本性発揮

 
 
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※この黄色いリボンは、民主的な真の普通選挙を求める抗議活動への支持を示す象徴となっています。私もこれを16面分割フォトシールにして、背広のボタンホールに貼っています。
 
※ 香港『蘋果日報』の「雨傘革命」サイトで、最新記事を配信中!
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民主派学生・市民による、香港政府總部のある金鐘(アドミラルティ)香港島最大の繁華街・銅鑼湾(コーズウェイベイ)九龍半島の地場大型繁華街・旺角(モンコック) 占拠から34日になる。
 
それに対して大方の親中派政党は北京の意を汲むばかりで、汎香港的な打開策を何一つ市民に提示して来なかった。唯一、親中派自由党党首である田北俊・立法会議員は、占拠には反対していたものの事態収拾のために「梁行政長官は辞任も考慮すべきだ」と発言していた。
 
ところが一昨日(29日)、中共の国政諮問機関である政協(全国政治協商会議)常務委員会が、田議員の政協委員ポストを解任。田議員は抗議の意味もあり自由党党首を辞任した。今後は自称「香港佬」(“ご意見番”、といった感じ)として、香港人のために声を上げてゆくと言う。
 
香港・蘋果日報1030日配信記事↓
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失政協 辭黨魁 田北俊:今後暢所欲言
【雨傘革命 第33天】
【本報訊】極權國度裏,講真話也是罪。自由黨田北俊上周五公開呼籲特首梁振英考慮辭職,招致全國政協常委會極速「柴」,昨開會表決通過撤銷其全國政協委員職務,成為港區首位被免職的全國政協委員。田昨稱對政協常委決定表示尊重及接受,為了日後仍可「代表香港人發聲」,決定辭去黨魁一職,日後可更加「暢所欲言」,明言不會收回叫梁考慮辭職的言論,指梁振英若到金鐘與學生見面,會第一時間支持對方。(以下略)
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本来であれば中共としては民主派勢力の切り崩しを行いたい所である。特に香港立法会議会においては定数70議席(各産業界などの選出35議席、地区別普通選挙で選出35議席)の内、親中派は41議席。議案の採決に必要なのは定数の2/3以上(47議席以上)であるから、民主派との交渉が欠かせない筈である。
 
ところが政協常務委は田議員が梁行政長官の進退に言及したことをもって、真っ先に自派議員を攻撃するという血迷った手段に出た。おそらくは親中派内の引き締めを狙ったのだろうが、自爆以外の何物でも無かろう。
 
自由党は田議員も含めて5名の立法会議員を擁している。他の議員の去就は定かではないが、元々自由党の基盤は企業の経営者・管理職層なので、強固な親中派と云う訳でもない。「香港市民」の視点からモノを言うと北京に干される・・・という現実を前にしては、他の親中派人士も考え込まざるを得ないであろう。
 
それにしてもここ数ヶ月の出来事を振り返ってみると、中共側は予想以上の悪手を連発している。
 
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  6月10日、中国国務院の系列機関が発表した「一国二制度」への見解、
「“一國兩制”在香港特別行政區的實踐=香港における一国二制度に関する白書」
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中共の意図は香港民主派への「警告」だったが、逆に香港市民の間に危機感が一気に広がった。そして62029日、2017年の行政長官選普通選挙を導入するための方法を問う市民投票に約80万人が参加(香港の人口は2013年調査で約720万人)、その流れで71日、香港市民51万人が参加した「7.1大遊行(デモ)」に発展してしまった。
 
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  8月31日:「最暗黒的一天(香港のもっとも暗い日)」
2017年に行われる次期香港特首(特別行政長官)選挙の制度改革について、中共全人代常務委の審議で「指名委員会」推薦の親中派しか立候補できない仕組みが改革案に盛り込まれた。
さらに立候補者数は2名乃至3名に限定、事実上の民主派排除。
しかも8.31決定前の29日に、中共の「全國港澳研究會」陳佐洱会長がこう述べている。
「香港特別行政長官に選ばれる人は『愛国愛党』であるのが当然」
そして中共の定義では、
「国 = 中華人民共和国、党 =中国共産党、愛国= 愛党 」
つまり中共は香港で公正な選挙をするつもりが無いことを内外に言明した。
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これが今回の香港の状況を生み出した元凶である。中共は「内政干渉」と叫ぶが、香港返還時に自ら国際公約したのであるから全世界の関係者が発言する権利があることを無視している。独裁国家らしい法秩序感覚の欠如であるが、それを公言しているのは国際世論を舐めているのか、それとも単に阿保なのか。
 
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  9月15日、中共・中央政治局の中で対香港・マカオ政策を司る「中央港澳工作協調小組」の報告会議が開催され、その席上、政治局常務委員で全人代委員長の張徳江
「香港の社会混乱がコントロールの利かぬ事態になったと(中共が)判断した場合、『1国2制度』を中止して『1国1制度』を実行する」
  と表明した。
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「火に油を注ぐ」とはまさにこのこと。「1国2制度」を止める用意があるという張委員長の発言は、「8.31」ショックで真の公正な普通選挙が絶望的になった民主派の神経を逆撫でするが如きものであった。
 
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  そして中共の錯誤の最たるものが、上記の施策を「香港政府に指示し、発表・実行させる」のではなく、「中共自らが発表し、香港市民と向き合う」姿勢をとっていることである。
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2年前の20125月、中共は香港政府に「国民教育科」なる「愛国教育」カリキュラムの実施を指示した。香港人はこれを「洗脳教育」と呼び猛反発、結局香港政府は「国民教育」導入を撤回せざるを得ず、面子丸潰れになった。ただし中共自体は指示したものの、実施は香港政府という下請けに「丸投げ」した格好なので、自分の面子は保たれている。
 
ところが上記の一連の施策決定と発表については、香港政府が噛んでおらず中共自身が表に立って行っている。従って香港市民の反発に対して妥協すると、中共自身の面子が丸潰れになってしまう。まさに「退くに退けない」状況へと自らはまり込んでいるのである。
 
さらに始末に負えないのは、上記の悪手連発について中共自身が、
「何とも思っていない」ことである。
 
おそらく香港市民には、近い将来(あと33年後だが)の「愛国=愛党」と、「民主集中制」という実質は全体主義の体制にそろそろ馴れてもらおうか・・・と考えているからであろう。
 
返還時の国際公約についても、「中国にとって“国際法規”とか“国際公約”などというものは自分の都合に合わせて利用するものであって、国際世界の責任ある一員として遵守するようなものではない」という立場なので、それを覆したところで他国から非難される筋合いは無い・・・と考えている筈である。これは一連の南シナ海における中国の行状や、東シナ海大陸棚、日中中間線に関する要求からも明らかである。
 
斯かるゲテモノを相手に健闘している香港の民主派学生・市民の踏ん張りには感嘆を禁じえない。我が日本の心ある皆様が香港支援に大挙繰り出せるよう、微力ながら私も「仕掛け」を作るべく動いております。
 
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