賭狂がゆく

港澳(香港、マカオ)往来28年、人生如賭博

DXの本質はハンコ廃止ではない

 

最近あちこちで取り沙汰されているDX(デジタルトランスフォーメーション)であるが、そもそもDXとは何か。日本経済新聞「きょうのことば」では下記のように解説されている。

 

(https://www.nikkei.com/article/DGXKZO59953540T00C20A6EA2000/ )

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高速インターネットやクラウドサービス、人工知能(AI)などのIT(情報技術)によってビジネスや生活の質を高めていくこと。スウェーデンウメオ大学のエリック・ストルターマン氏らが2004年に提唱したとされる。

企業においてはITを活用したビジネスモデルの変革や、それに伴う業務、組織、企業文化などの変革も指す。(以下略)

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ところが最近では、DXの本質と手段に誤解が生じ始めている。例えばDX=「ハンコの廃止」といった論調である。

 

しかしハンコの押印は承認プロセスの一形態に過ぎず、仮に電子承認システムが整備されたからといっても意思決定自体が曖昧もしくは遅いのであれば、何の意味も無いのである。

 

このようなDXに関する誤解を正し、その本質とは何かという点について、先週東京ビッグサイトで開催された<スマートエネルギーWeek 2021>の二次電池展に於ける基調講演「エネルギー業界におけるDXの潮流を読む」を聴講した。その内容は非常に示唆に富むものであった。

 

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2021年3月3日(水)15:30~17:00

基調講演(有料)

「エネルギー業界におけるDXの潮流を読む」

早稲田大学 未来イノベーション研究所 客員教授 園田 展人氏

 

講演内容

昨今、あらゆる業界でDXの推進が叫ばれているが、DXを巡る議論には様々な誤謬が散見される。DXは突如として現れたものでなく、実は何かによってDXはすでに準備されていた。本講演では、その何かの正体を解き明かし、エネルギー業界に求められるDXの在り方を示す。

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¥25,000の有料セミナーだったので内容を詳細に記すことは控えるものの、演者は「GAFA」の市場制覇例や「東芝」が現在行っている内容についてポイントを当て、エネルギー業界に限らずDXの「肝」とは何かという点について的確な見解を示していた。

 

※聴講後の感想

(1)DXの波が押し寄せているから企業変革を行うというのは愚策である。人に先んじた未来予測を行い、圧倒的に儲かるビジネスの核心領域を押さえることが必要。

(2)DXの本質は、博奕に例えると「胴元」になること。

(3)先ず、押さえるべき領域の設定が大切。

(4)予想される課題(自社で解決)の外、それ以外の課題については自ら解決に動くのではなく、ビジネスパートナーを使うことでカバーする。つまり専門領域は持ちつつ、他の分野についても“御用聞き”的なポジションを持つことが重要ではないか。

(5)何はともあれ、先ず全体を俯瞰する図を書いてみること。

 

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