賭狂がゆく

港澳(香港、マカオ)往来28年、人生如賭博

今月の句「おごるなよ 月のまるさも ただ一夜」

 
昨日が中秋の名月、今夜が満月、実にいい月夜である。
 
我が国やシナでは観月の風習は古来より有り、特に我が国では縄文時代以来であると聞く。ヨーロッパや中近東で月を鑑賞するという風習は聞かないので、「月を愛でる」という行為は東洋精神の現れかも知れない。
 
シナの中秋節では「月餅」を親しい人やお世話になった人に贈呈する習慣があり、そのため香港でもこの時期は月餅販売合戦が盛んになる。月餅で有名なのが老舗の「奇華」「栄華」ケーキ屋の「美心」などだが、さすが香港だけあって有名ホテルの「ペニンシュラ」や「マンダリン・オリエンタル」でもオリジナル月餅を販売している。
 
昔、この時期に香港から帰国する時はいつも大量の月餅をお土産に買い込んでしまい、知人や親戚などへ捌くのに苦労していた。長く居ると発想まで現地化してしまうから困りものである。
 
日本では特にこれという菓子が無いが、私が思いつくのは仙台の萩の月とか、博多の菓子店石村萬盛堂の「阿の月」という和菓子。特に博多の方は「仙崖さんもなか」と詰め合わせで売っていたりする。
 
「仙崖さん」というのは江戸時代の名僧・仙崖義梵(博多・聖福寺住職)のことで、禅画や書で有名である。月を描いたものも多く、禅の精神を庶民にもわかり易く説く画風はとても楽しい。
 
この仙崖和尚の遺した句がこれ。
 
「おごるなよ 月のまるさも ただ一夜」
 
天下の風雲はこれからが本番だが、自戒をこめて噛みしめたい句である。
 
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