全世界のカジノ業界に激震が走っている。アメリカ・ラスベガスの“顔”とも云えるウィン・リゾーツ社( Wynn Resorts Ltd、NASDAQ上場)の創業者にして立志伝中の人物、スティーブ・ウィン(Steve Wynn)代表(CEO, 76)にセクハラ疑惑が持ち上がったのである。
(マカオの高級リゾート「Wynn Macau」、筆者撮影)
WSJ (Wall Street Journal)紙がセクハラ疑惑を報じたのが1月26日、氏はセクハラ疑惑を否定したものの、翌日に共和党全国委員会の財務部門議長を辞任した。
そしてウィン社はこの問題に関する第三者調査委員会の設置を決め、更にマサチューセッツ州の賭博委員会もウィン社とスティーブ・ウィン代表への調査を検討すると表明。おまけにマカオ政府もウィン社に対して調査要請と、まさに踏んだり蹴ったりの事態に陥っている。
スティーブ・ウィン代表は他にも、日本のユニバーサルエンターテインメント社の創業者・岡田和生氏との係争を抱えている。以前より当ブログでも書いているが、そのきっかけはウィン社の不透明なマカオ大学関係者(とされている人物)が噛んでいる基金への約1.4億米ドルの寄付だった。
(この寄付に関係するマカオの高級リゾート「Wynn Palace」、筆者撮影)
当時ウィン社に出資しており役員でもあった岡田氏の調査で、その人物が中国共産党関係者であり大学と無関係だったことが判明。ところが役員会でそれを指摘し、寄付に反対した岡田氏は解任され、逆にユニバ社が当時マニラに建設中だったIR(現・「オカダマニラ」)に関して不正があると訴えられたのである。
その件は現在係争中で、和解への道も模索されているものの、未だ決着には至っていない。しかし今回のセクハラ疑惑でスティーブ・ウィン代表と同社役員が退任…という事になれば、ユニバ社との係争も新たな展開となるであろう。
WSJ紙は本件について相当気合の入った記事を出しており、問題はスティーブ・ウィン氏の進退だけに止まらず、米国内各カジノの営業ライセンス更新およびマカオでのカジノライセンス更新にも悪影響を及ぼす可能性が高い。
加えて米国企業と中共およびチャイナマネーとの関係が改めて取り沙汰されるかも知れない。今後の展開について注視が必要である。
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