先週3日、将棋の藤井聡太棋聖が棋聖戦第3局で渡辺明三冠に勝利し、3連勝でタイトル初防衛を決めた。同時に九段昇段の条件を満たしたので、史上最年少となる18歳11カ月で九段昇段を達成した。
将棋の段位昇段は名人戦・順位戦の規定やタイトル獲得・防衛の規定を満たせば飛び級もあり、藤井二冠のように高速昇段も可能だが、それ以外は勝数規定による。
【五段昇進の条件】公式戦100勝
【六段 〃 】五段昇段後公式戦120勝
【七段 〃 】六段昇段後公式戦150勝
【八段 〃 】七段昇段後公式戦190勝
【九段 〃 】八段昇段後公式戦250勝
師匠の杉本八段(52)は1079戦594勝。プロ入り後、八段まで全て勝数規定により昇段している。対して藤井二冠(18)の通算成績は267戦224勝、タイトル絡みかつ驚異的な勝率が18歳での九段昇段を可能にしたのである。
この藤井二冠の現在のコンディションについて、師匠の杉本八段がいいコメントを寄せている。
デイリースポーツ7月4日配信記事↓
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藤井聡太棋聖の師匠・杉本昌隆八段 喜び隠せず 九段を先に達成され「ずるい」
(https://www.daily.co.jp/gossip/2021/07/04/0014470945.shtml?ph=1 )
(中略)
最年少九段については「自分も最終目標だった九段をいとも簡単に達成してしまうのはちょっとずるい(笑い)。でもそれだけ彼の成長が早いということですよね」と笑いながら答えた。
棋聖戦の初防衛に成功したが、これからもハードな日程が続く。それでも「学生時代は大変そうでしたが、(今は)将棋やってることが楽しいでしょうから、疲労度は若いですし影響はないと思う」と心配はない。(太字筆者、以下略)
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プロ棋士が何で将棋を指しているかというと、先ず第一に「好きだから」。これは棋士だけでなくスポーツ選手や芸術家、音楽家でも同じであろう。そして技倆の点について大差ないプロ同士が勝負するときに明暗を分けるものは、心理・精神面とそれに由来する体調等の健康状態、そして「運」ではないだろうか。
その「運」の巡りを掴める者が勝利に近づける。しかし「運」とはデリケートなものだから、その時にしかめっ面で「しんどいな」と思っているよりも「楽しい」と心底思っている者の方に近寄る習性があるようだ。
つまり物事は単に「好きだ」というだけでなく、「楽しい」と思いながら取り組んでいる方が良い結果を出せることになる。
これを的確に言い当てているのが、「論語」の一節である。
「子曰く、之を知る者は之を好む者に如かず、之を好む者は之を楽しむ者に如かず」
なるほど、師匠の言葉通りで藤井二冠は「楽しんで」将棋を指しているからこその快進撃なのだろう。真の強者とはそういうものかも知れない。
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