… … … … … … … … … … … … … … … … … …
「十字架に磔になるよりも、私は手に入る全ての武器で戦う」
(I will fight with all the weapons within my reach rather than let myself be nailed to a cross or whatever.)~ チェ・ゲバラ
… … … … … … … … … … … … … … … … … …
革命家チェ・ゲバラの『ゲリラ戦争』を初めて手に取ったのが中学生の頃だった。現在は中公文庫から新訳が出ているが、当時は反体制的出版社として知られていた三一書房の新書で、図版も数多く入っていた。
確か絶版になっている筈だが、本文のおまけ的な注釈やイラストも多くて面白かった。そういえば火炎瓶(モロトフ・カクテル)の作り方も、この本で覚えたものである。
極左の人間がバイブルにしているのはマルクス、レーニンの著作や毛沢東の『遊撃戦論』だろうが、これらに比べるとゲバラの『ゲリラ戦争』は共産主義臭が希薄なように感じる。
盟友であったフィデル・カストロと共にキューバ革命を戦ったゲバラはしかし、キューバ共産党が成立しても党員とはならなかった。彼の本質は共産主義者と言うよりも革命家もしくはインターナショナリストだった事が、その著作にも影響しているのだろう。
私が最初に読んだ共産主義系の本が『ゲリラ戦争』だったお蔭で、その後に読んだものには全く魅力を感じなかった。同じ頃に読んでいたのが『孫子』だったのも幸いしたようだ。イデオロギーよりも、「どうやれば勝利を得られるか」という点に関心があったからである。
人から薦められた丸山真男や加藤周一なども退屈なだけだった。結局左翼思想には馴染まなかった訳で、今振り返るとありがたい事である。
さて、『ゲリラ戦争』には、ロシアの侵略に対して必死の抵抗を行っているウクライナ国民を鼓舞する銘言がある。それが冒頭に挙げた、
「十字架に磔になるよりも、私は手に入る全ての武器で戦う」。
核で脅すロシアに対して通常戦力でも劣勢のウクライナ。しかし既に報じられているようにウクライナ国民は火炎瓶を量産してロシア軍の装甲車両を襲撃しており、またウクライナ国防省も火炎瓶を作るよう市民に奨励している。
ゲリラ戦に加えて諸外国からの義勇兵の参戦で、ロシア軍は泥沼の長期戦に引きずり込まれるであろう。
極東の一角でウクライナの苦境を座視しているのは辛いが、こちらも「手に入る全ての武器(ロシアを追い詰める、あらゆる手段)で戦う」ために、出来る限りのことをやってみたい。
(参考文献)
チェ・ゲバラ著、『ゲリラ戦争』(原題: Guerrilla Warfare )
甲斐美登里・訳、中公文庫
… … … … … … … … … … … … … … … … … …
ブログランキングに登録しています。
応援いただければ、下記アドレスをクイックお願い致します。
↓
(https://blog.with2.net/link/?2009463 )
… … … … … … … … … … … … … … … … … …