賭狂がゆく

港澳(香港、マカオ)往来28年、人生如賭博

茶番劇2023香港区議「選挙」

 

中国によって自由と民主主義が奪われてしまった香港で10日、もはや茶番劇に過ぎない区議会議員「選挙」が実施された。その結果は既に日本の皆様もご承知の通りで民主派は立候補すら不可能となり事実上壊滅した。

 

全地区の総投票率は27.54%と過去最低。これは2年前の立法会議員(国政議員に当たる)選挙での投票率30.2%を下回るもので、香港人のシラけというより「絶望」に近い気持ちの表れでもあろう。

 

この選挙結果を一目瞭然の図表にしたものが香港yahoo!新聞に出ている。

 

(https://hk.news.yahoo.com/topic/hk-district-council-election )

※建制派とは親中派のこと

 

香港「国家安全維持法」施行以来、2021年1月には香港立法会議員選挙対策として民主党派各党が各選挙区に於ける自派内での候補者調整のための公開予備選挙を行うと、それが『国家政権転覆罪』になる…として53名の民主派要人が一斉逮捕された。また同年7月には150名以上の民主派区議が大量辞職へ追い込まれた。

 

2019年までは小中学校の公民教育で「三権分立」をカリキュラムに入れていた香港政府は既に三権分立を否定し、自らを中共(中国政府および中国共産党)に隷属するものと位置づけている。更に中国と香港政府は立法会議員及び区議会議員の資格を「愛国者であること」と規定している。

 

そして中共は「愛国=愛党」、つまり国を愛するとは中国共産党を愛することだと規定している。従って香港区議会議員選挙の立候補者に求めている「政府への忠誠宣誓」とは、

「香港政府 = 中国 = 中国共産党への忠誠宣誓」

となる。

 

これでは民主派の政治家は誰も立候補できない。仮に面従腹背を決め込み「忠誠宣誓」したとしても親中派と香港政府による隠微な圧力が待っている。ちなみに区議総数264議席の内、無党派当選は86名。彼らは元々民主派ではなく地域問題対策に特化した人々なので「忠誠宣誓」も苦にならないようである。

 

しかし以前にも述べたように敢えて臥薪嘗胆を決め込む民主派の人々がいて、彼らと共に機を窺い他日を期す香港市民が多数いるのだから、私たちは引き続き香港の悲境に対して沈黙してはならないのである。

 

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