賭狂がゆく

港澳(香港、マカオ)往来28年、人生如賭博

止まらない香港の中国一地方都市化

 

「スパイ行為」への取り締まりは我が日本国以外ではポピュラーなものではあるが、少なくとも西側自由民主主義諸国ではどういう行為が該当するかの法的根拠があっての嫌疑・逮捕拘束・取り調べが行われている筈である。

 

しかし中共に於いては法的根拠がどうこうよりも先ず逮捕拘束してから嫌疑・逮捕理由を考えるという事例が頻繁にあり、「法治国家」とは名ばかりの国である。

 

19日にかねてから危惧されていた香港「国家安全条例」が香港立法議会で可決された。国家(中共)の安全にとって危険と見做される「意図」があると判断されれば「スパイ罪」になるというが、その「意図」とは何なのか、どうやって「意図」があると判定するのかは一切不明という凄い法律である。

 

時事通信3月19日配信記事

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国安条例、異例のスピード成立 統制強化に懸念 親中派独占、抗議広がらず・香港

(https://www.jiji.com/jc/article?k=2024031901113&g=int )

【香港時事】香港立法会(議会)は19日、スパイ行為などを取り締まる「国家安全条例」を全会一致で可決した。(以下略)

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記事では条例制定に抗議する市民の動きは広がらなかった。とあるが、集会やデモ行進等は厳禁され政治的アピールどころか香港政府・中国への批判的コメントを表に出しただけでもアウト判定、更にはSNSは勿論のこと一般的なメールまでも傍受されている中共と同様の監視社会化が進む香港ではどうしようもない。

 

そして香港行政長官選挙、立法議員選挙、地方議員選挙とは一応「選挙」という建前の実質は恣意的基準に則った茶番劇に過ぎず、中共首脳の意のままに自由と民主主義を「合法的に」破壊してゆく道具として機能している。

 

自由と民主なくして経済の自由は存立し難い。国際金融都市だった香港はこうして単なる中国の地方都市のひとつへ、清代中期までの広東省の一地域へと戻ってゆくのかも知れない。

 

その香港、現在世界中から観光客を呼び戻そうとして香港観光協会などが懸命のプロモーションを行っている。こうなったら開き直って香港ディズニーランドに巨大な習近平銅像を建てるとか、やればいいのに。

 

(2014年11月、雨傘運動中の香港デモ隊占拠地にて)

 

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