賭狂がゆく

港澳(香港、マカオ)往来28年、人生如賭博

残念なイスラム国参加摘発

 
イスラム国に参加を計画した北大生らが摘発され、刑法の私戦予備・陰謀の疑いで事情聴取されている件、第一報を聞いたとき「警視庁公安部は何故、彼らを取り締まったのか?」と疑問に思った。
 
9月5日エントリー↓ で述べたように、
イスラム国との提携は是か非か
 
イスラム国』の目標は、中央アジアに進出して東トルキスタンまで勢力拡大の末に、同地を支配し暴虐の限りを尽くしている中華人民共和国中国共産党を撃滅し、東トルキスタンウイグル族を解放することだと云う。
 
(ご参考)
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ISIS、数年後に新疆ウイグルの占領を計画、中国を「復讐ランキング」首位に―中国誌
中国・鳳凰週刊は9日、「ISIS、数年後に新疆ウイグルの占領を計画、中国を『復讐ランキング』首位に」と題した記事を掲載した。
史上初のイスラム国家のテロ組織ではないものの、アフガンにイスラム国を実現させるというタリバンの目標に対し、ISISの目標はもっと壮大で、カリフの伝統を主張している。イスラム世界の歴史において、カリフはムハンマド・イブン=アブドゥッラーフの継承者。全世界のムスリムで首領として崇められている。
ISISは数年後に西アジア北アフリカ、スペイン、中央アジア、インドから中国・新疆ウイグル自治区までを占領する計画を立てている。「中国、インド、パキスタンソマリアアラビア半島コーカサス、モロッコ、エジプト、イラクインドネシア、アフガン、フィリピン、シーア派イラクパキスタンチュニジアリビアアルジェリア。東洋でも西洋でもムスリムの権利が強制的に剥奪されている。中央アフリカミャンマーの苦難は氷山の一角。われわれは復讐しなければならない!」と表明、その筆頭に中国を挙げている。
バグダッドでの声明では何度も中国と新疆ウイグル自治区に言及し、中国政府の新疆政策を非難。中国のムスリムに対し、全世界のムスリムのように自分たちに忠誠を尽くすよう呼び掛けている。(以上引用)
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以前にも書いたように「敵の敵は味方」という伝でゆけば、中共による直接的・間接的侵略に晒されている我が国にとって、『イスラム国』が中共撃滅を目標とするならば共闘できる相手ではある。
 
具体的には東トルキスタン独立支援のための世論喚起、資金援助、人材育成、日本国内の中共施設と親中共人士をターゲットとして来るべき日のための予行演習を行うといった処であろう。日本側の条件は、我が国の盟友インドの保全と相互不可侵を『イスラム国』に約束させることと、「イスラム債」起債に関して最恵国待遇とすること、などなど。
 
一介のサラリーマンである筆者でさえこう考えるのだから、公安関係は当然それも選択肢に入れている筈だ。そして例の北大生らを協力者に仕立てて、イスラム国と東トルキスタン間の連絡役として使う。「日本ルート」の開拓で中共は余分な労力を割かざるを得なくなるので、我が国及び同盟友好諸国にとって有益となる。
 
しかし現実には、今回の摘発。
 
推測だが、幾つかの理由が考えられる。
 
1.シリア渡航イスラム国参加のコーディネーターであるフリージャーナリストの常岡浩介氏と元同志社大学教授の中田考氏が公安の筋書きに乗らなかったから
 
2.計画がお粗末すぎて、とても使えないと公安部が判断したから
 
3.イスラム国参加計画が事前に中国側に漏れた可能性があり、公安としては体裁を整えるため先手を打って「摘発」
 
4.政府・与党内の親中派または欧米追従派による、警視庁公安部への摘発指令
 
上記のどれが真相なのか、それは関係者への今後の処罰で推測するしかない。
 
今回の摘発容疑は刑法の私戦予備及び陰謀というもの。詳しくは「国交に関する罪」、刑法第93条で私戦予備及び陰謀罪の罰則が規定されている。
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国交に関する罪 刑法第93条 私戦予備及び陰謀
(私戦予備及び陰謀)
第九十三条 外国に対して私的に戦闘行為をする目的で、その予備又は陰謀をした者は、三月以上五年以下の禁錮に処する。ただし、自首した者は、その刑を免除する。
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但しこの条文を適用した判例は、まだ無い。
 
「私戦予備及び陰謀」判例をつくるには、本件はお粗末な感があると思う。従って筆者の予想では、警視庁は北大生らを逮捕無しのまま取り敢えず書類送検し、東京地検が不起訴処分もしくは起訴猶予処分を下すであろう。
 
どうせなら公安部はそのまま北大生らを泳がせて、イスラム国が本当に戦闘未経験の連中を引き受けるかどうか試してみるべきではなかったか。そして仮に北大生らが東トルキスタンに行かず、日本国内で不穏な活動をする可能性がある場合は、密かに抹殺してしまえばいいだけ。
 
その意味で今回の摘発は残念である。
 
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