賭狂がゆく

港澳(香港、マカオ)往来28年、人生如賭博

消費税で外圧来襲か、それとも自ら選択するか?

 
先週、看過できないニュースがあった。
 
時事通信217日配信記事↓
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日本製品、税制で有利=「国境調整」で是正を-下院議長
【ワシントン時事】米共和党指導部のライアン下院議長は16日の記者会見で、日本製品が輸出時の税制で米国製品より有利な扱いを受けていると指摘し、是正のため米国の法人税に、輸出課税を免除して輸入課税を強化する「国境調整」を導入すべきだと訴えた。国境調整は米企業のための税制だと強調することで、小売業界などの懸念を拭いたい考えだ。
ライアン氏は記者団のソニー製ICレコーダーを手に取り、「日本製品は輸出時に(日本の消費税が)免除される上、米国に入ると(消費税が)課税されない」と主張。逆に米国製品は日本で消費税がかかり、税制面で不利との見解を示した。
米国全体では日欧のような消費税(付加価値税)がないため、米製造業には「輸出時の税還付を得られない」との不満がある。このため、下院共和党法人税の国境調整を導入する税制改革を提案。輸入抑制を目指すトランプ政権に支持を求めている。(以上引用)
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現在のところ、「国境調整」という課税措置の導入の是非と言う格好で、トランプ政権の矛先は自国の税制に向いている。これはあくまで米国の内政問題であるので、他国としてはどうこう言えるものではない。
 
しかし米国内での税制調整、すなわち「国境調整」制度が不発に終わった場合、米の矛先は他国に向かうであろうことは、過去の事例から見ても十分に有り得ると言わざるを得ない。
 
この場合はすなわち、日本の輸出製品への消費税免除制度を槍玉に挙げてくるだろう。この制度は「内国消費税である消費税は外国で消費されるものには課税しない」という考えに基づいているが、おそらく米は「外国で消費されるものであっても、日本国内で製造されたものについては消費課税するべきではないか」という理屈をつけてくる筈だ。
 
もうひとつ考えられるのは、輸出品の消費免税制度議論が言いがかりに過ぎず、実はアメリカの本音は日本の消費税そのものにあるのではないかという事である。
 
つまり日本の経済政策を輸出から内需拡大に転換させるために、日本政府にかつての「バブル」期の再来を促す政策をとれ・・・と圧力をかけるという事である。
 
その場合、おそらく米が要求してくるのは「消費税率の引き下げ」。これは当ブログで過去、再三主張して来たことである。
(ご参考)
2015915日エントリー
 
2016327日エントリー
 
上記エントリーでも述べてきたように、筆者は消費税率の思い切った引き下げを再三与党筋へ進言していたのだが、まったく取り合ってくれなかった(ま、私の公式身分はただのサラリーマンでしかないから、当然なのかも知れないが)。
 
景気浮揚策としての消費税率引き下げ、それを自らの意思と決断で実行するのと、“外圧”を喰らって実行せざるを得なくなるのとでは、天地の差がある。
 
孫子』虚実篇に曰く、「~善く戦う者は、人を致して人に致されず」とある。また電通の『鬼十則』にも、「6.周囲を引きずり回せ、引きずるのと引きずられるのとでは、永い間に天地のひらきができる」とある。つまり主導権を手放すなという事である。
 
我が国は現在、米トランプ政権と親密な関係を築きつつあるが、だからこそ今、自らの主導権を駆使して先手、先手の政策を実行することが必要なのではないだろうか。
 
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