大好評を博しているTBS日曜劇場『半沢直樹』の続編。主人公の設定は前作ラストで子会社の証券会社に出向を言い渡され、現在は銀行子会社「東京セントラル証券」の営業企画部長という肩書きになっている。
あのドラマの影響で、「出向 = 左遷」という構図が世間一般に流布してしまった感がある。たしかに銀行業界では役員として会社本体内で生き残れる人はほんの一握り。他はみんな出向 → 転籍ということなので、あながち間違いとは言えない。そして他の業界でも大なり小なり、そんなイメージがあるようだ。
かなり以前に書いたと思うが、社内コンプライアンス遵守教育の一環でドラマ仕立ての学習DVDの視聴があった。内容は某建設会社のポープA部長が、反社会勢力からの接待漬けの末に反社フロント企業への便宜を図り、それが露見するというストーリーだった。
その最後のナレーションは、
「役員の座に一番近いと噂されたA部長は、この事件の責任をとらされ降格処分の上、子会社に出向となった」・・・
もはや「出向」は左遷どころか、「懲戒処分」の人事というイメージになってしまっている。しかし現実の「出向」には色々なケースがあって、決して左遷や懲戒を意味している訳ではない事は、長年の勤め人なら誰しも知っていることだろう。
筆者も齢58で「一丁上がり」なので、改めて三十数年の会社人生を振り返ってみると、新卒で住友グループ中核「白水会」加盟19社の中の某社に入社。本社勤務21年、支店勤務4年、残りは3回出向であった。
最初の出向は37歳のとき、九州の関係会社に営業課長として2年。次は50歳のとき、本社ビル内の完全子会社に部長として4年。最後は54歳で某業界団体に3年いた。
最初の出向先はプロパー90人、出向組7人という陣容。たしか半沢続編第1話で証券プロパー組が半沢ら出向者に対して厳しい言葉を投げかけていたが、筆者も全く同じセリフを投げつけられたのを思い出した。
2回目の出向先は本社内異動扱いだったので「出向者手当」が貰えずガックリした。業務の実態は本社総務・人事・資材調達部門のアウトソーシング。しかも全員が出向者と転籍者だったので人間関係は前よりも楽だった。
ところが最後の出向先だった某業界団体は自分以外みんな他社の出向組で、今思えばここが今迄の中で一番難しい立場だった。
もっとも悪いことばかりではなく、各社からの多額の拠出金で頻繁に飲み食い出来たことと、営業予算達成やら目標達成やらのノルマが無いという営業系サラリーマンにとってはパラダイスのような環境。
そこで3年、歳も歳なので会社本体に戻れるとは考えもしなかった。そのまま定年まで居るのか、それとも別の関連会社に出向するのか?などと考えていたら、昨年突然「戻ってこい」でまさかの復帰である。
(ご参照)
< 私記:まさかの異動で本社に復帰 >
(https://tafu1008.hatenablog.com/entry/16627267 )
当ブログにお越し頂いている皆様の中には40代、50代のサラリーマンの方も結構いらっしゃると思う。そこで出向歴3回の筆者がアドバイスするとしたら、もし「出向」となっても「照る日曇る日、雌伏久しければ飛もまた高し」で、腐らずに「楽しむ」心境で日々を過ごすことが大事だと思う。
人生という奴は時々思いもつかない事が起こるから面白い。まさに当ブログのサブタイトルでもある「人生賭博の如し」である。
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